セッション:Keynote Speech スピーカー:Hiroshi Mikitani |
楽天なので当然と言えば当然ですが、キーノートスピーチは会長兼CEOの三木谷 浩史さん。楽天の今と未来について、直接お話を伺うことができました。
■ゴールは「世界一のインターネットサービスカンパニー」
楽天の事業目標は「世界一のインターネットサービスカンパニーになること」です。そのため、次の点で世界的なプレゼンスを高めようとしています。
- IT Platform
- organization
- broadcasting
kobo 〜日本の出版と小売の新時代を開拓
koboを開発・リリースしたことで、日本における出版と小売の新時代を開拓することができました。(原文:kobo creates value in the new era of publishing and retailing in Japan.)
ちなみに、以下のような新モデルも発表しています。
グローバルなサービス
世界的にみると、以下のようなサービスも展開しています。
世界一に向けてのさまざまな取り組み
次のようなことにも取り組んでいますが、いずれも究極のゴールは「世界一のインターネットサービスカンパニーになること」です。(原文:Their ultimate goal is to be World No.1 Internet Services Company!)
- Rakutenization:楽天化
- e-commerce in US and Europe:欧米でのEコマース
- e-commerce in emerging countries:新興国でのEコマース
■Englishnization Project 〜日本人は全員、英語で会話できると信じている
楽天と言えば、今では誰もがまず「英語化」を思い浮かべますよね。導入当初も今も、やはりいろいろと批判や抵抗(noise)が多いそうです。しかし、現在では新雇用者の70%が非日本人ということで、英語化は必要です。
英語化プロジェクトの一環として、以下のような取り組みを行っています。ポイントは、組織をオープンにし、英語でアイデアを共有するようにしている点です。
- 全ての取締役会議・上位の経営会議を英語化している。
- 国内では、専門知識をビジネスユニット間でtransferしている。
- 国外では、専門知識を国と国の間でtransferしている。
これらの成果として、TOEICの平均点が526.2から706.8にアップしました。また、社員に課しているTOEICの成績目標についても、2012年6月時点で達成度86%に達しています。
三木谷さんいわく「日本人は全員、英語で会話できると信じている」。
こうした取り組みは、ハーバード・ビジネス・スクールでも研究対象として取り上げられています。
参考:Language and Globalization: “Englishnization” at Rakuten
■Technology 〜楽天を支える技術と技術者
楽天の取り組んでいる技術についても、広範に触れていました。
1. Using agile as possible
“being agile is important”と、経営トップが明言していたのが印象的でした。また、利用しているツールには以下のものを挙げていました。
2. a device-first world
- cross-business
- user-centric
- Innovation
イメージとしては、デバイスを中心に、UXでイノベーションを図るという感じでしょうか。
3. private & public cloud
現在、Rakuten PaaS(RPaaS)なるものを、Cloud FoundryのDerekさんを中心に構築中です。
4. BigData Global Platform
HadoopとRakuten Super DBなるものとの組み合わせで、ビッグデータの基盤を構築しています。
5. Deeply understanding Users
6. Global R&D
R.I.T(楽天技術研究所)を中心に、国際的な技術開発を行っています。
7. All Rakuten engineers go global!
社内のエンジニアを積極的に海外のカンファレンスに参加させています。私もAgile2012で、多くの楽天エンジニアとお会いしました。
(編集注:Agile2012のManaslink公認レポーターとして、伊藤さん始め、楽天エンジニアの方にレポートを提供していただきました。参考:Agile2012 Summary)
8. Engineers work globally
すごい人がいますよね。
■われわれは可能な限りアジャイルでいく
「アジャイルであることは重要だ、われわれは可能な限りアジャイルでいく」という三木谷さんの言葉に興奮を抑えきれなくなり、キーノート終了後に一直線に檀上に向かい、ご挨拶いたしました。
Atlassianの大澤さん(Seanさん)に撮影していただきました。ありがとうございます!
日本の一アジャイリスタとして、三木谷さんと、とある約束をしました。その内容は……、いずれお話できる時までのお楽しみとしておきます。
トップがあれだけ腹をくくって英語やアジャイルに取り組めば、やはり会社は変わりますよね。所属会社の違いがどうこうを超えて、やってやろうというパワー・情熱・勇気をもらえた、そんなキーノートスピーチでした。元気になれました。
参考
公認レポーター 伊藤 宏幸