基調講演で初めて横塚氏の話を聞いて、講演内容もさることながら、非常に面白い話しぶりに引き込まれてしまい、私用で帰らなければならなかったのですが、時間ギリギリまでパネルディスカッションを聞いてきました。

アジャイルが今後重要で、どのように広めていくのかというお話だったのですが、やはり実際にはなかなか進まないのか、会場からの質問はさまざまな状況での現場が持つ課題についての相談会になっていました。

Agile Japan 2015 A-4

相撲とラグビーの話

そんなパネルディスカッションの中で、残しておきたいと思ったのが、横塚氏があげていた相撲とラグビーを題材としたたとえ話です。
アジャイル普及についての横塚氏の主張は、

やりたい人がやればいいし、わからない人に理解してもらう必要はない

それを「相撲部の脇にラグビー部がやってきた」というたとえで説明していました。

もともと相撲部があったところに、ラグビー部がやってきた。
ラグビーが海外から来た競技だなんだと、批判したところで競技自体が違うのだから意味のないこと。もし足の速さに自身があったり、新しいことをやってみたいと思ったなら、ラグビー部が受け入れてやればいいだけのこと。

なんともわかりやすい。
ソフトウェア開発の中で、アジャイルは開発手法として見られ、ついつい効率だなんだと比較されやすいのですが、何をやっているかよりも、最終的に成果が出ているかどうかがポイントのはず。そういった意味を込めているのだと思います。

念のため注意しておきたいのですが、別に横塚氏は相撲に対するネガティブな意見を持っているわけでもなく、ただ選手のスキルとして類似していそうな競技を2種並べただけと思いますので、相撲ファンの方はお気になさらないよう。

理解してもらいたい場合にはどうするのだろうか?

横塚氏ならびに他のパネラーの誉田氏と宮田氏も同様のスタンスでした。
ですが、ふと自分が今おかれている状況を見るとそうでもないように思ったので、1つ以下のような質問をしてみました。

Agile Japan 2015 A-4

(写真提供:筆者)

組織上に業務上関係ない相手であれば、理解してもらわなくても自分が何をやろうと影響が無いのですが、上司になるとこれは理解してもらう必要性があるようと思います。

横塚氏と宮田氏の回答は、相手の立場になって相手にとってのメリットを説明することがいいのではないかということでした。
つい、アジャイル(私の場合はスクラム)の方法自体の理解を求めてしまうのですが、実際にマネージャー層が気にしているのは、成果がどうなるのかという視点です。なので、その視点に立って、マネージャーの課題を共に解決していくことが大切ということでした。

また、宮田氏は回答の最後に、これからのソフトウェア開発で

  • ホスピタリティ理論
  • デザイン思考
  • アジャイル

が必須になるであろうとおっしゃっていました。

理解を得るな。手を差し伸べよ

パネルディスカッションを総合して、

理解してもらうこと自体は意味がない。
アジャイルで進めるための課題が、理解していない周りの人達に由来するのであれば、手を差し伸べて解決しよう。

ということなのだと思いました。


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