Agile Japan 2015

大変盛り上がったパネルディスカッションでした。
パネラーそれぞれのバランスよい強烈な個性が、森崎先生によって、中和ではなくさらに輝いた感じでしょうか。ビデオでもう3回は見たいくらいです。

目からうろこの過激な意見と自由な発想

「開発3スプリント+システムテスト1スプリント」のような実践的で現実的なお話も出る一方、突飛な発想や過激な意見もどんどん出ていました。

Agile Japan 2015 A-4パネルディスカッション

たとえば、会場を爆笑に包んだ「相撲取りにラグビーをやらせる」お話。ラグビーをやりたがっていない相撲取りは相手にせず、ちょっと速く走れる人だけを相手にすればいい、という発想は私には新鮮でした。相撲がいいという人にラグビーの良さをどんなに伝えても、まるで違うスポーツなので確かに通じないか……、と。

Agile人材の育成も、全体を底上げするべきなのか、ちょっと速く走れる、つまり「できる人材」を重点的に育成するべきなのかが議論されました。「Agileが嫌という人も周りがいいと言いだすといいに変わる、嫌じゃなくなる」という意見には、なるほどね~と納得しました。

「ミドルマネージャーより上の人たちが、経営の責任はとるからAgileをやっていいと言わないと、マネージャーはつらい」のように、Agileにとどまらない経営の問題にも切り込んだ示唆に富んだお話がどんどん出てきました。

自分の経験とすり合わせる

Agileはなにに向いている?

この質問には「社内システム、Webサービス系がとっつきやすい」と答えていましたが、私のスクラムのスタートもそこなので「そうかしら?」と疑問に感じました。XPとの出会いは有償プロジェクトだったし、有償のほうが覚悟してきっちりAgileをやるのかもとも思います。

Agileでは残業しない

私の場合、実現できているプロジェクトと実現できていないプロジェクトとがありました。思い返すと、やはり有償プロジェクトでは残業せざるを得ないAgileになっており、理想に近づけられていないなあと思いました。

Agile Japan 2015 A-4パネルディスカッション

そして直接質問!

聴衆から質問する機会があったので、思い切って質問してみました!最初の質問者だったため緊張してしまい、名乗るのを忘れたように思います……。

パネラー3名に加え、森崎崎先生にも答えていただき、質問した甲斐がありました。

  • 説明するのは、Agileのやり方ではなく相手にとってのメリットを
  • 「世界的に流行ってる」と言う
  • 相手の不安を解消する、相手の課題を解消する
  • 「ダメならウォーターフォールに戻します」と選択肢を見せる

なるほど、なるほど~と思いつつも、それは危険な賭けだなーと生意気なことを考えていたところ、森崎先生の素晴らしい(素敵に晴れ晴れとした)ツッコミのおかげで、さらに質問することができました。来週の資料はもうできたも同然!と思いました、私。

他の方も質問していく中、パネラーから「今日の質問はAgileの問題ではない、問題はAgileにない」という発言がありました。Agileをよりよく進めるには、提案力や組織力などの他のスキルもピカピカに磨いていく必要がありますよね。当たり前ですけど、改めて痛感しました。

Agile Japan 2015 A-4パネルディスカッション

新技を手に入れる

いろいろな技も覚えました。会得はまだこれからですが、いつくか書き出しておきます。

部長ワークショップ 課長が疑問を付箋に書き出し、部長に答えてもらうワークショップは効果あり
アジャイルソフトウェア12の原則 アジャイルソフトウェア開発宣言(私も必ず資料に盛り込みます)ではじめ、Agileに慣れた頃、アジャイルソフトウェア12の原則を検証するとよい
TOC
ホスピタリティ
SECIモデル
TOC(制約理論)、ホスピタリティ、SECIモデルをみんなで学ぶとよい
「という小説」 自説を主張した後に「という小説を読んだことがある」と付け加えると受け入れやすい
世界初 「このバグは世界初です」と言うと受け入れやすい

期待をはるかに超えるセッションで、聞きたいことも聞くことができました。Agileを周りにどう働きかけるかという点でも、ヒントをいっぱいもらえました。いい小説が世の中にはたくさんあるようです。

モデレーターとしてではなく、森崎先生メインの講演もぜひ聴きたいです。

Agile Japan 2015 A-4パネルディスカッションの登壇者と筆者

A-4登壇者と筆者(写真提供:筆者)


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