Agile Japan 2013 キーノート K-1
アジャイルソフトウェア開発宣言、スノーバードでスキーをした17人のひとり(笑、組み込みアジャイルコーチであるJames Grenning氏の基調講演について、印象に残った言葉を追いながらレポートします。
■プログラマーは交換可能な部品じゃない
スピーチの冒頭『Managing the Software Process』という書籍が紹介されました。CMM/CMMIの基礎となった書籍だそうですが、ここにあるのは、「プロセスがしっかりしていれば、技術者さえ交換可能」という考え方なのだそうです。
一方、アジャイル宣言を見れば分かるように、アジャイルは「人」を重視します。これこそが、私がアジャイルを好きになった決定的な理由だと気づきました。
■大切な時間をデバッグで無駄にするな
コーディング、テスティング、デバッグのうち、価値を生んでいるのはコーディングだけ。午後のTDDセッションの冒頭、ソフトウェア開発で「好きなこと」「嫌いなこと」を参加者全員がポストイットに書き出したのですが、やはりデバッグの嫌いな人が多くて共感!
みんな!デバッグがキライなら、バグを作らなければいいんです!
■ソフトウェアの価値は「変えられる」こと
これ、忘れちゃってる人が組み込み屋には割りと多い気がします。マスクROMだった時代ならともかく、今やFlashROMやインターネットの普及で、開発中はおろか市場に出てからでさえ書き変えることが可能な時代。
なので、個人的には「ファーム(堅い)ウェア」という言葉は好きじゃないんです。ソフトウェアは「ソフト」なのが本質なんだと思いません?
■品質の悪い仕事を推奨するマネジャー
いるいる!「納期死守。品質そこそこでいいから、とにかく早く実装終わらせろ」みたいな。品質をないがしろにするとそのツケは終盤に回ってきて、結局、納期が遅れるんですよ。
■スクラムスレーブになるな
「スクラムスレーブ」という言葉が面白いと思いました。スクラムマスターは、教科書や研修で言われたことを奴隷(slave:スレーブ)のように守るのではなく、常に最新のプラクティスをチームに取り込むべき、というような意味だったと思います。
■楽しいソフトウェア開発のために
仕事なんだから大変なのは当たり前、辛いのはあたりまえ、いつの間にか私たちは、そんな考え方に慣れてしまっている気がします。
嫌いな仕事はやらなければいいんです。嫌いな仕事(デバッグ)をしなくて済むようにするために、好きな仕事(コーディング)をがんばる、というのがTDDの本質じゃないでしょうか。
公認レポーター 松永 広明
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2 Comments
EM Zeroのナカノヒト (@em_staff) · 2013年6月5日 at 10:10
【AgileJapan2013】デバッグを減らして楽しいエンジニアリングライフを:Agile Japan 2013 レポート(11) http://t.co/3tXSR1h56N #agilejapan
@HajmF · 2013年6月5日 at 12:55
RT @legoboku: ソフトウェアの価値は「変えられる」こと。テストしたとこ触んな状態は価値を失ってることになるんだな。 / “デバッグを減らして楽しいエンジニアリングライフを:Agile Japan 2013 レポート(11) | ManasLink…” http://t.co/pqTNHgkzEt
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