- セッション:基調講演2
デジタル革命には アジャイルがよく似合う - レポーター:上條 飛鳥(公認レポーター)
- 作成日:2015年4月30日
- プロフィール:AgileJapanへのポジションペーパー
- 執筆レポート:http://www.manaslink.com/asuka-kamijo
日本にアジャイルを定着させたい
日本にアジャイルを定着させたい
そう言いながら演台を脱出した横塚氏。
あらゆる産業がデジタル化の波に飲み込まれてゆく中で、どうやって生きてゆくのか。横塚氏の言葉は多くの参加者に波紋を呼んだことだろう。
これからの仕事は競争優位が続かない。すなわち常に改善を続け、お客様の需要や感想を追いかけなければ、淘汰される――そんな未来がすぐそこまで来ているということだ。
提供側が「すごい」と思っているものを作っても、響かないのは当然だ。お客様自身の潜在的な希望や需要を分析して、そこに合うサービスを提供しなければならない。
4つの視点
「この時重要となる視点が4つある」と横塚氏は続けた。
1.Customer centric
「お客様の視点から考える」
手垢にまみれた言葉ではあるが「これを実施するにはメソッドを持っていなければ無理だ」と横塚氏は言う。
そのメソッドとして紹介されたのが「Design thinking」だ。シンガポールでは国をあげて小学生の頃から叩き込まれるというこのメソッドは「理解→探求→確認」を繰り返すことで実現する。
自分の五感で得た情報を基に、プロトタイプを作って検証することだ。
2.Collaboration
ビジネスとエンジニアとお客様。
3つの立場が1つのチームとなるように、議論が生まれる環境となるように。三者三様な意見を交えてプロトタイプを作っていくことだ。
3.Visible
目に見えるものになることで、ようやく工夫ができるようになる。動くソフトウェアを作り、そこから工夫できるところを考えた方が効果的だ。
4.Iterative
これまでのことを踏まえて改善を繰り返す、繰り返す。まだこの世にないものを作るのだから、最初からピシッとしたものはできない。常にお客様の感想を得ながら、お客様に教えてもらいながらあなたたちのものをより良くしていくことだ。
まだ営業→コンサルタント→開発……などといった部門のリレーをしているようでは、この先は生き残れない。全社をあげて、仲良く考えていける文化にしなければ、会社が保たなくなる。
生き残るためには
アジャイルなチームを作って、成功を重ねながら伝統的な事業を新しいものへと切り替えていくことが必要だ。このとき、ビジネスイノベーションとビジネスアナリシスもセットで考えなければならないと横塚氏は言った。
「ビジネスアナリシスの能力をもって、ソフトウェアの作り方もわかって、その上でビジネス戦略部隊と堂々とやりあうスキルをもって戦え」と。
エンジニアはトレーニングや好取組事例をやったほうがいい。その責任がある。
上から、下から、日本を変えようぜ?
と、発破をかける横塚氏。会場の至る所で、静かに、導火線に火が点る音が聞こえた気がした瞬間だった。
横塚氏はさらに、こう続けた。
10年先にウォーターフォールなんてやってる人いないんだから
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