[8/15] Enterprise Agileを再考する – Agile2012 現地レポート(19)

セッション:Scaling Lean|Agile Development to the Large Enterprise with the Scaled Agile Framework

スピーカー:Dean Leffingwell

アジャイル開発の本質とスケールアップ』の著者でもあるDean Leffingwell氏のセッション。大きな企業におけるリーン・アジャイル開発のスケールについて考えるセッション。

以前、彼のブログを読んでいて「[適当翻訳] 大規模Agileの形を表現したAgile Enterprise Big Picture」にも書いたように「Big Picture」が紹介されていましたが、あれから数年経ち、進化した青写真が紹介されました。


Big Pictureとそれぞれの詳細は、Scaled Agile Framework Big Pictureで確認できます。画像の中で気になる部分があれば、クリックすることで詳細のページに遷移します。

ポートフォリオレベルで考えられたバックログが階層をたどるごとに、より詳細化されていきます。プログラムレベル(プロダクトとも言えそう)では、Feature(機能)の目的やアーキテクチャにフォーカスされ、アジャイルチームのレベルにたどり着くと、それらは機能やコンポーネントにフォーカスされます。

このエンタープライズレベルのバックログは、企業としてのビジョンの共有や、目的の明確化につながるツールのように感じますね。


Leffingwell氏はさらに、エンタープライズバックログを技術的な視点で整理しました。
ユニットテストや受け入れテストから始まり、ユーザストーリー、アーキテクチャエピックなどなど。すべてはEpic、Feature、Storyへと集約されていき、バックログへとつながっていくことが確認できます。


そしてプロダクトはアジャイルリリーストレインの流れにのり、定期的なリリースを繰り返し、継続的に改善されていきます。


また、これらを実現するために必要なマインドセットも紹介されました。

  • たくさんのプロジェクトから、かんばん&WIPによる限定を
  • 一年に一度、資金供給するのではなく、インクリメンタルな投資へ
  • WBSからアジャイルな見積りと計画づくりへ
  • プロジェクトという単位から、アジャイルリリーストレインへ

リーンでありアジャイルなマインドセットを実現するために、さまざまなプラクティスを適用し、それらを改善していくことが必須なのでしょう。


最後に、スクラムで登場するニワトリとブタの話について。

物語はとてもおもしろいメタファーになっており、ニワトリとブタがハムエッグを作る計画を立てますが、ニワトリは卵しか提供せず、ブタは身を切られてしまうので、なかなかうまくいかない話です。チーム外の人間(特にマネージャのことを指しているのだと思う)を除外しなければ、スムーズに事は進まないということを表しているように思います。

しかしLeffingwell氏は、エンタープライズアジャイルにとって、役員やマネージャークラスの人たちは「ニワトリではない」と説明します。

彼らはブタ(それもとても大きいもの!)側に立っており「リーンでアジャイルな企業を目指すために必要なリーダーシップ」という新しいミッションを持っています。そのミッションを共有するために、伝え、教育し、刺激を与えることがエンタープライズレベルでは必須と言えるでしょう。

彼の発表は、大規模向けに構築された理論としてとてもよく練られています。
「企業内でのスケール」という視点で考えた場合、従来のプラクティスだけでは、どこかで限界がきます。個人的には、会社の経営層は「敵ではない」と説明した部分には共感が持てます。

あなたにとってすばらしいことでも、私にとってそうとは限らないこと。

それは相手にとってもそうですし、あなたも知らないかもしれない。相互に理解し、協調しながら進んでいかなければ、エンタープライズアジャイルの実現ははるか先です。


Agile2012現地レポーター隊「アジャイルクローバーZ藤原 大

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