セッション:An Agile Adoption and Transformation Survival Guide – Working with Culture

スピーカー:Michael Sahota

Agile Conference1日め、9:00〜12:00に行われたMichael Sahotaさんのワークショップ「An Agile Adoption and Transformation Survival Guide – Working with Culture」に参加しました。
(後述しますが、レポートのタイトルは「Adoption and Transformation」をあえて「移行」の一語に訳しています。)

↓川口さんに写真を撮られる様を撮影するの図。会場はこんな感じです。広いです。

参加人数が予定を大幅にオーバーしてしまい、半数の人しかワークショップを行えないほどの盛況ぶりでした。いろいろあって、私は一番前に座ってワークショップに参加することができました。

 

■スピーカーMichael Sahotaさん

認定スクラムコーチ(Certified Scrum Coach・CSC)
IT業界17年、アジャイル11年のベテランだそうです。InfoQ に頻繁に記事を投稿されているそうです。

 

■参加目的 〜本場のコーチによるアドバイスを聞きたい

私は、Mike Cohnさんの『Succeeding with Agile』の読書会に参加しています。
この書籍の2章に、個人・チーム・組織をアジャイル/スクラムへ移行させるためのモデルとして、ADAPTというものが出てきます。

ADAPTとは、以下の頭文字を取ったものです。

  • Awareness:現状がうまくいっていないことに気付くこと。
  • Desire:アジャイル/スクラムで現状を改善しようという情熱を持つこと。
  • Ability:アジャイル/スクラムを適切に実行するための能力。
  • Promotion:アジャイル/スクラムを開発チームへすすめること。
  • Transfer:アジャイル/スクラムを全社(非開発チーム含む)へ広めること。

このモデルを知ってからアジャイルの移行方法に興味を持つようになり、是非、本場のコーチによるアドバイス・ノウハウを伺いたいと思い、参加することにしました。

 

■ワークショップの概要

“Schneider Culture Model”(後述)に従い、会社・組織をアジャイルへ移行するための方法、およびマインドセットについて考えるという内容でした。

アジャイルへの移行の際の技術プラクティスを “Adoption”、マインドセットを “Transformation” と、用語を明確に使い分けていました。この辺りの語感を一言では伝えにくかったため、レポートのタイトルでは「移行」と表現しています。

 

■ワークショップの流れ

1. 自社のアジャイル移行の失敗の原因を考えます

まず4分間で可能な限り、付箋紙に書き出しました。

2. 付箋紙を、”Schneider Culture Model” にプロットします

“Schneider Culture Model” とは、以下のような二次元のモデルです。

縦軸をReality/Possibility、横軸をPeople/Companyで整理し、会社・組織の文化がどの位置にあるのかを明確にします。
各象限の意味は、以下のとおりです。

Control いわゆる Command & Control の状態。
会社が大きくなって階層構造ができあがると、こうなりがちです。
Competence 技術的に優れたエンジニア同士が競争し合っている状態。
技術開発でよく見られます。
Cultivation メンバー同士が協力し合う状態を構築している状態。
文化を構築中といったところでしょうか。
Collaboration 顧客含め関係者が協力的な状態。
これも技術開発でよく見られるとのことです。

3. 自分の会社を支配している文化が、上記4象限のどれに属するのかを見つけます

参加者の回答は以下のとおりでした。Controlが圧倒的に多し。

  • Control:77人
  • Competence:15人
  • Cultivation:14人
  • Collaboration:10人

4. “Manifesto for Agile Software Development” および “Principles behind the Agile Manifesto” を “Schneider Culture Model” にプロットします

おそらく “Schneider Culture Model” の理解促進のためだったと思われます。

5. 各象限で適切なツールについて説明を受けました

Control Kanban
Competence Craftmanship
Cultivation Agile
Collaboration Agile

近年はやりのKanbanは、Controlの場合に有効とのことです。
Craftmanshipについては、”Manifesto for Software Craftmanship” というものがあるそうです。要は職人気質といったところでしょうか。

6. アジャイルで有名なアイデアや書籍についても、”Schneider Culture Model”にプロットしました

7. アジャイル移行のために自分がやるべき次のステップを整理して終了しました

ワークショップについては、以下の写真でイメージを膨らませていただければと思います。


 

■ポイント

1. “Adoption” は “Doing Agile”、”Transformation” は “Being Agile” を意味する

2. “Adoption” を考える際、書籍『Agile Adoption Patterns』が参考になる

3. “Transformation” については、まだ理解されていないのが現状

“Transformation” を考えるにあたっては、”Kotter’s 8-Step Change Model” というものが参考になるとのことでした。

4. “Schneider Culture Model” についてMichaelさんは、”Competence kills your project!” と発言

技術にとんがり過ぎた非協力的なメンバーばかりでは、プロジェクトは失敗するとのことでした。あくまでチームとして協力することがプロジェクト成功の肝とのことです。

 

■所感

事前予習が生きる

このワークショップに参加するにあたって、事前にMichaelさんのブログ(後述)を予習しておきました。そのことをMichaelさんに伝えたら、非常に喜んでくれました。

また、Mike Cohnさんの『Succeeding with Agile』の読書会をしていること、および、ADAPTモデルの理解内容についてお話したら「そうそう、これが重要なんです」というお話になりました。自分の勉強していることが(英語で)通じたということが、すごくうれしかったです。名刺交換もさせていただきました。

アジャイルを阻害する要因は?

アジャイルを阻害する要因は?というMichaelさんの質問に、みなさんが真っ先に「PMO!」と答えていたのは、日本と同じなんだな〜と親近感が持てましたw

脳みそのブレーキを壊す難しさ

アメリカでも「A or B」と質問されて「AとBの間」という答えは出にくいようです。脳みそのブレーキを壊すことは、万国共通で難しいようです。

正直、Michaelさんの英語が早過ぎて、理解できていない・間違って理解しているところはあるかと思います。また、3時間のワークショップを即日配信しているので、不足な点も多々あるかと思います。
その点を差し引いた上で、現地のワークショップの雰囲気とアジャイル移行のための参考情報が「アジャイルに」に伝われば幸いです。

 

参考

今回のワークショップに関する書籍

以下から無料でダウンロードできます。

Michael Sahotaさんによる “Schneider Culture Model” の説明

“Schneider Culture Model” の出典『The Reengineering Alternative』

著者William E. Schneider。ハードカバーのみです。


Agile2012現地レポーター隊「アジャイルクローバーZ伊藤 宏幸

2 Replies to “[8/13] アジャイルへの移行のためのサバイバルガイド – Agile2012 現地レポート(9)

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