- 著者:細谷 功
- 発行所:PHPビジネス新書
- 価格:800円+税
- お薦め度:★★★★☆(★5つが最高)
概要
様々な切り口でWhyとWhatを比較し、Whyの重要性を論じている本。
「仕事を任せられる人」であるための重要条件とは、当該エリアの知識をしっかり有している、つまりWhatレベルのスキルが十分で日々の仕事でいちいち周りの人の判断を仰がなくてもよいというのは当然必要な条件ですが、知識には限界がありますから、それだけでは「完全に任せる」というところまではいかないのではないでしょうか。「まずいことをまずい」と認識できて、早めに周りの人に相談したり助けを求めたりすることができる人、すなわちWhyレベルで常識を持つ人というのは、むしろ専門知識が不足していても「任せられるか」という観点での安心感は「その道の専門家」以上と言うことができます。(P113)
私たちが普段読書するときに「本に書かれていること」というのも、直接目に見えるWhatに混じって実は霜降り肉のようにWhyが紛れ込んでいます。What型の読書ですが、目的はひたすら知識や情報量を増やすことです。これに対してWhy型の読書というのは、そこに書かれたことを材料にしてまずはじっくりと考えてその理由や背景などに思いを巡らすとともに、自分の思考力を鍛えて読書後も含め新しい発想を生み出すのが目的です。(P206)
目次
- 第1章 イントロダクション
- 第2章 職場にはびこる「WhyなきWhat病」
- 第3章 Why型思考とは何か?
- 第4章 WhatとWhyを切り分ければ「世界が変わって見える」
- 第5章 Why型思考のビジネスへの応用例
- 第6章 「そのままくん」の原点はWhat型教育にあり
- 第7章 Why型思考を鍛えるために
- 第8章 Why型思考の「使用上の注意」
お勧め度
★★★★☆(★5つが最高)
全体的な印象としてクドイ。
執筆の途中で無理やり作った(感の強い)対比表が多いからか。
具体例がもう少しあると、本全体のバランスが良かったと思う。
Why型営業(お客様から言われたWhatの要求を、「○○でどんなことをなさりたいのですか」というWhyの質問で一度押し返す営業)の具体例(P131)は、参考になったが..
柴田 浩太郎 2010.9.27
富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)
社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。
※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。