- 著者:戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉野尾孝生、村井友秀、野中郁次郎
- 発行所:中央公論新社
- 価格:762円+税
- お薦め度:★★★★★(★5つが最高)
概要
6人の学者による研究成果。その目的の一つは以下の文に集約される。
本書は、大東亜戦争における日本軍の失敗を現代の組織一般にとっての教訓として生かし、戦史上の失敗の現代的・今日的意義を探ろうとする。(P25)
この目的を達成するために、まず、ノモンハン事件から沖縄線までの事例をわかりやすく提示し、次に、その失敗の本質に迫ていく。
ノモンハン事件-作戦目的があいまいであり、中央と現地とのコミュニケーションが有効に機能しなかった。情報に関しても、その受容や解釈に独善性が見られ、戦闘では過度に精神主義が誇張された。(P37)
本来、戦術の失敗は戦闘で補うことはできず、戦略の失敗は戦術で補うことはできない。(P291)
目次
- 序章 日本軍の失敗から何を学ぶか
- 第1章 失敗の事例研究
- 1 ノモンハン事件-失敗の序曲
- 2 ミッドウェー作戦-海戦のターニング・ポイント
- 3 ガダルカナル作戦-陸戦のターニング・ポイント
- 4 インパール作戦-賭の失敗
- 5 レイテ海戦-自己認識の失敗
- 6 沖縄戦-終局段階での失敗
- 第2章 失敗の本質
- -戦略・組織における日本軍の失敗の分析
- 第3章 失敗の教訓
- -日本軍の失敗の本質と今日的課題
お勧め度
★★★★★(5つが最高)
日本人と日本の組織を理解するのにとても役立つ。戦争を経験したことがない世代に特に。
柴田 浩太郎 2010.7.3
富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)
社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。
※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。