• 著者:柴崎 辰彦
  • 発行:ダイヤモンド社
  • 価格:1,600円 + 税
  • お薦め度:★★★★☆

概要

副題は「成功企業が密かに取り組む事前期待のマネジメント」。確かに、情報が氾濫する現代において、購入する前の情報コントロール(お客様コントロール)の重要性は、ますます高まっていると言えそうだ。筆者は、その方法論としてソーシャルメディアの活用を薦める。

リクルートが展開する「SUUMO」は、同社の住宅情報サービスのブランドです。一般に住み替えなどで住まいについて考えるタイミングは、一生のうち4回ほどしかないと言われています。同社では、潜在顧客が住まいを探したいと思った時に、一番最初にスーモを想起してもらうことが必要だと考えていたそうです。(P5)

また、事前期待の本質を理解させるために、その種類を分類し、それぞれに対するアプローチを提示している。心理学専攻の背景がそうさせるのか、述べられる人間の心の動きには一定の納得感がある。

「事前期待の持ち方」は、以下の4つに分類できます。

  1. 共通的な事前期待
  2. 個別的な事前期待
  3. 状況で変化する事前期待
  4. 潜在的な事前期待(P39)

目次

  • 序章 勝負は、お客様が買う前に決める!
  • 第1章 ソーシャルメディア×事前期待のマネジメント
  • 第2章 まずは、お客様から注目される存在になる!
  • 第3章 ソーシャルメディアでお客様との信頼関係をつくる
  • 第4章 買う前にファンにしてしまう5つの法則
  • 第5章 お客様にファンであり続けてもらうために

お薦め度

★★★★☆

情報は鮮度が命。その意味では旬の本。手に取るなら、語られている内容が陳腐化する前にどうぞ。

個人的には、筆者のもう一つの顔である「クワガタ・ブリーダー」からみた事前期待を、もう少し深く知りたかった。

2012年10月28日

富士通株式会社 柴田浩太郎(Kohtaro Shibata)

Kohtaro Shibata

社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。

※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介をご本人の許可をいただいて掲載しているものです。