- 著者:芦崎 治
- 発行:リーダーズノート株式会社
- 価格:1,300円 + 税
- お薦め度:★★★★☆
概要
ネットゲームに膨大な時間を費やしてバーチャルの世界に生きる者を「ネトゲ廃人」と呼ぶ。著者は、彼ら・彼女らにインタビューを通じて、その考え方、生き方を明らかにし、あらためてリアルの世界の人々に問う。
情熱。
「ネットゲームをやっていると、リアルの友だちがいらなくなる。だって、画面上に友だちがいっぱいいますから。」(P21)
「子どもは絶対にいらない。子どもがいると、ゲームができなくなるじゃないですか。」(P69)
現実。
「ネットゲームやる人は、能力に差があるんです。両極端にわかれるんですよ。知識があって、能力のある頭のいい人たち。もう一つは、自分が好きなアイテム欲しさに借金までして、ゲームにはまるバカな人たち。その二つです」(P98)
「ゲームの中に、私を助けてくれる人がいるの。私の悩みの相談にも乗ってくれて、それに的確に答えてくれる。頼りがいのある人なの。あなたには、今はもう何も惹かれるものがない」(P143)
参加者
「最近、主人に冷たい目で見られています。毎晩、『また、やるの?』って言われています。すいません、行ってきます、みたいな感じで、セカンドライフに入っています」(P54)
ある夜、ゲームのチャットで向こうから話しかけてきた。
「おともだちになりませんか?」
なんとなく文面に幼さが立ちのぼっている。
「いくつなの?」
チャットで返した。
「わたし、小学三年生なんですけど、いいですか?」(P189)
目次
- 第1章 ネットゲームに日々を捧げた女神たち
- 第2章 セカンドライフで人生をリセット
- 第3章 ゲームで愛し合いリアルで同棲
- 第4章 ゲームに救われ、ゲームに閉じこもる
- 第5章 親不在の寂しさからハードゲーマーへ
- 第6章 デイトレーダーがはまったRPG
- 第7章 キャラクター同士で、本気の恋愛
- 第8章 ネトゲ家族の崩壊
- 第9章 オンラインゲーム大国、韓国の憂鬱
- 第10章 急増する小学生のログイン
- 第11章 ネトゲ廃人たちの絆
お薦め度
★★★★☆
対岸の火事ではない。ネットゲームを携帯電話やFacebookに置き換えたらあなたや、あなたの大切な人は本当に、「廃人ではない」と言い切れるだろうか…
2012年08月09日
富士通株式会社 柴田浩太郎(Kohtaro Shibata)
社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。
※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介をご本人の許可をいただいて掲載しているものです。