•  著者:Venkat Subramaniam and Andy Hunt
  • 訳者:角谷信太郎・木下史彦
  • 発行所:オーム社
  • 価格:2,400円+税
  • お薦め度:★★★★★(★5つが最高)

概要

冒頭にわかりやすい定義が示される。

(ソフトウェア)開発がアジャイルであるということは、協調性を重んじる環境で、フィードバックに基づいた調整を行い続けることである。(P4)

この定義に従えば、アジャイルであるということを重視すればするほど、環境や継続(習慣)、つまり開発する「人そのもの」を重視する必要が出てくることになる。なるほど確かに、本書は、その「人そのもの」に対する実践例が豊富に掲載されていた。

作業が完了したら、実際にかかった時間をありのままに記録しよう。たぶん最初の見積りより長くかかっているんじゃないだろうか。でも、それでいいんだ。(P97)

通常、スタンドアップミーティングは一日の早い時間帯の、全員が出勤しているタイミングに行う。ただし、朝一番にはやらないこと。出勤時刻の30分から1時間後に始めるのが適切だろう。(P153)

悪いニュースを最後まで伝えないでいるということは、マネージャや技術主任に「自分のことを事細かく管理してください」と頼んでいるようなものだ。(P172) 

目次

  • 第1章 アジャイルソフトウェア開発
  • 第2章 アジャイルの初心
  • 第3章 アジャイルさを育む
  • 第4章 ユーザが求めるものを提供する
  • 第5章 アジャイルなフィードバック
  • 第6章 アジャイルなコードィング
  • 第7章 アジャイルなデバック
  • 第8章 アジャイルなコラボレーション
  • 第9章 終章:アジャイルへ踏み出す

お勧め度

★★★★★(★5つが最高)

各実践例とともに、実践する際の気分が記述されている。人の行動は、その時の気分に左右されるという本質を捉えた構成だ。

柴田  浩太郎 2010.5.15

富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)

社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。

※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。