• 著者:和田 竜
  • 発行:小学館
  • 価格:457円 + 税
  • お薦め度:★★★★☆

概要

豊臣秀吉が活躍する時代、とある地方の城に「でくのぼう」と呼ばれた跡継ぎがいた。名を長親(ながちか)という。

長親は図抜けて背が高い。脂肪がのっているため横幅もあり身体つきは大きいが、容貌魁偉であるとか、剛強であるとかいった印象を一切ひとに与えなかった。

ただ大きい。

その大きな男がのそのそ歩く。その姿はまさに、でくのぼうが、歩き回っているかのごとくであった。

長親はどちらかといえば醜男(ぶおとこ)であった。鼻梁こそ高いが、唇は無駄に分厚く、目は眠ったように細い。その細い目を吃驚(びっくり)したように開き、絶えず大真面目な顔でいる。(P39)

4歳の女の子にさえ対等に扱われてしまう主人公。その彼の城が存亡の危機にさらされる。

お薦め度

★★★★☆

家来や農民の心は描写されるが「のぼう様」の心は描写されない。

さて、その心中いかに。

2012年05月12日

富士通株式会社 柴田浩太郎(Kohtaro Shibata)

Kohtaro Shibata

社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。

※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介をご本人の許可をいただいて掲載しているものです。