• 著者:マーク・シルベスター/モヒ・アメッド
  • 日本語版監修:斎藤潔
  • 発行所:日経BP社
  • 価格:1,800円+税
  • お勧め度:★★★☆☆(★5つが最高)

概要

海外の富士通社員である2人がこれからのサービスのあり方として「リビングサービス」という概念を提言したこの本は、その2人が英語で書いた本を国内の富士通社員が訳した本である。

そもそも「リビングサービス」とは何かこの読者の疑問に対し、本書は以下のように答えている。

対極にあるサービスを原著では「Dying Service(硬直し消えゆくサービス)」と表現している。(P4)

お客様の戦略、技術、プロセス、また文化や人に密接に歩調を合わせる必要があり..(中略)私達はこれに応えるサービスをリビングサービスと位置づけた。(P20)

リビングサービスは、サービスをSell(売り)、Solve(解決=設計・開発し)、Deliver(提供=製造・提供し)、Innovate(革新)するための発展的な方法なのです。(P21)

この抽象的な概念の素晴らしさを裏付けるために富士通社外の表層的な例と富士通社内の、これまた表層的な例を使って説明している。

目次

序章  リビングサービスの内幕

~第一部 Mind(心)~

  • 第一章 リビングサービスの風土を育てる
  • 第二章 競争の発想を変える

~第二部 Body(体)~

  • 第三章 お客様と共に活動する
  • 第四章 お客様のビジネスチャンスを増大する
  • 第五章 卓越したサービスを提供する
  • 第六章 お客様と共に未来を創出する

~第三部 Soul(魂)~

  • 第七章 一人ひとりのエネルギーを最大化する
  • エピローグ 接続可能なサービス

お勧め度

★★★☆☆(★5つが最高)

目次立てはいい、しかし本文がダメだ。

読みにくいという感想を書くだけでは能がないので以下に改善点を挙げておく。

1.想定読者を絞り込む

富士通社内の人間が対象なのか、社外の人間なのか。それとも本を作る上でレビューをする人間なのか。

2.読者にどうしてほしいのか整理する

問題点を理解してほしいのか、共感してほしいのか。それとも使ってほしいのか。

3.著者の視座を明確にする

神の視座なのか、企業としての視座なのか。それとも研究者としての視座なのか。

…私にとっては「大サービス」のつもりである。

柴田 浩太郎 2009.9.19

富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)

社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。

※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。