- 著者:野村 進
- 発行所:角川書店
- 価格:705円+税
- お勧め度:★★★★☆(★5つが最高)
概要
世界最古の会社は、日本にある。
この本は、西暦578年創業の「金剛組」という建築会社を筆頭に創業百年以上の老舗企業を紹介する本である。
百年以上ものあいだ、めまぐるしく変化する時代に柔軟に対応しながら、時代に即した製品を作りつづけた製造業。これが、取材先を決定するときの最大の基準でした。(あとがきより)
企業の柔軟に対応した軌跡が次々と示される。
貴金属会社が開発したバイブ機能に必要な極小ブラシ(P39)
羊の毛刈りを根本から変えた醤油会社の薬剤(P84)
みかん農家が生み出した蚊取り線香(P119)
公害認定第一号企業による起死回生のプリンター用トナー(P181)
日本を誇り思える一冊である。
目次
- プロローグ 手のひらのケータイから
- 第一章 老舗企業大国ニッポン
- 第二章 ケータイに生きる老舗企業の知恵
- 第三章 敗者復活
- 第四章 日本型バイオテクノロジーの発明
- 第五章 「和風」の長い旅
- 第六章 町工場 ミクロの闘い
- 第七章 地域の「顔」になった老舗企業
- エピローグ 世界最古の会社は死なず
お勧め度
★★★★☆(★5つが最高)
残念なことに 著者の視点・視座が一定していない。取材者、執筆者、想定読者と文章の流れの中で立場がころころ変わっている。読みにくいし、感情移入しにくいと思う。題材が良いだけに惜しい。
柴田 浩太郎 2009.9.3
富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)
社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。
※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。