• 著者:辻仁成
  • 発行所:海滝社
  • 価格:1,300円+税
  • お勧め度:★★★★★(★5つが最高)

概要

舞台は、1980年ごろの吉祥寺。

それぞれの物語は、代筆屋である筆者のもとに様々な思いを胸にした依頼者が訪れることから始まる。

売れない小説家は、趣味と実益をかねて他人になりかわり、手紙を書いていく。

ときに、依頼者以上の思いを その手紙に込めながら。

目次

  • 拝啓(まえがきみたいなもの)
  • 第一章 『名前も分からぬ人へ向けた恋文の書き方』
  • 第二章 『咲くよ桜』
  • 第三章 『過去に囚われず、未来に縛られず』
  • 第四章 『目を細めて、輝く水平線を』
  • 第五章 『この際、はっきりとさせるために』
  • 第六章 『でも死のうとは思わない』
  • 第七章 『ラブレターのすすめ』
  • 第八章 『八十八歳のわたしより』
  • 第九章 『心境』
  • 第十章 『雪のかまくら』
  • 追伸(あとがきにかえて)

お勧め度

★★★★★(★5つが最高)

吉祥寺で代筆屋をやっていた頃、一番得意としたのは恋文の代筆である。もっとも、恋文の正しい書き方とか、マニュアルなどというものは存在しない。だから、ここに紹介する手紙をそのまま写し書きしても無駄だ。人間は心の中に鍵穴をいくつも持っていて、すべての扉を開けることができる殺し文句などは存在しない。合鍵はないのである。人間一人一人に対して、一つ一つの鍵が必要となる。・・・これが恋文の鉄則。(P112)

じんときた。

柴田 幸太郎 2009.8.19

富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)

社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。

※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。