マナスリンク、EMシリーズ誕生のきっかけは、IT系技術雑誌エンジニアマインド(技術評論社)の休刊でした。

自身がはじめて記事を執筆・連載を持った雑誌であり思い入れが強かったこともありますが、それ以上に今までのIT系雑誌にはなかったエンジニアの「マインド」に焦点を当てたこの雑誌がとてもおもしろく、大好きでした。

ー 何とかこのエンジニアマインドが持つ空気、心意気を絶やさず伝えていけるものを残せないか。

この感情をエンジニアマインドの副編集長だった野口(現マナスリンク代表、のぐパン)にメールで伝えました。

その返信が次のメールでした。

野口です。雑誌は生まれては消えていくものなので、そういう中でむしろ9回も非技術ネタで続けられたことに喜んでいます。技術者=技術だけの専門家、という図式は、少なくとも私の中では少し変わりました。

皆さんのエンジニアマインドは雑誌のあるなしに関わらず不変なわけですが、雑誌としては幻の10号を同人誌 or フリーペーパー化というのも1つの考えだと思います。埋もれているネタはたくさんありますし、ただ働きでも記事書きますか?そして売れて黒字になったらみんなで飲む、と。

このメールで火がついたぱんだは、当然この話に乗ることにしました。

mixiやPFPのメーリングリストに同人誌化計画の話を公開してみたり、「ロゴやイラストはメーヴェさん(めーぱん)に新たに起こしていただきましょう!」ということで、めーぱんを巻き込んでみたり・・・・・・。

のぐパンとの話し合いを重ね、いろいろな人に声をかけるうちに無償にもかかわらず原稿の執筆や配布に協力してくれる方、「発行が決まったら広告を出すよ!」と言って下さる方まで現れ、増えていきました。

ー どうせやるなら協賛をもらって長く発行できて、多くの人に読んでもらえる形がいいからフリーペーパーでいこう!

ー 協賛や広告をもらうなら会社の方がいいんじゃないか?中身はコミュニティの延長みたいなものだけど。

そんな感覚で生まれたのがマナスリンクであり、ソフトウェアエンジニアのためのオープンペーパーEM ZEROです。マナスリンクの社名は、マインドの語源である「マナス」と、人と人との想いがつながっていく、つなげていくという意味を込めた「リンク」をくっつけたものです。EM ZEROの「EM」は、きっかけとなったエンジニアマインドを意識しつつも、そこには何を当てはめてもいい、「ZERO」には新たな媒体の誕生、フリーであること、ここから派生していくであろうものの原点という意味が込められています。その意味通りに、関西圏の有志の手によってEM WESTが立ち上がるまでになっています。

普通の「会社」という枠からすると、創業メンバー全員が兼業状態、手弁当の運営、多くの人の支援なしには成り立たない、と甘い部分は多々ありますが、それでも「やりたいことをやる」「届けたいと思うものを届ける」という意志でここまできました。

こんな会社があってもいいんじゃないか?とりあえずもうすぐかれこれ3年経つし、くらいの感覚で、今日もマナスは続いています。

株式会社マナスリンク どこかのぱんだ

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