おもしろさの詰まった115分

このパネルディスカッションの面白さを伝えよ!と仲間から言われていますが……(笑)
いや、これ、無理でしょう(爆)
実際その場で聴くことに価値があり、参加者特典だと思います。きっぱり。とにかく面白かったです!!

誉田さんも横塚さんもバッサリ斬るタイプの方で、その発言の潔さがすごく面白いのです。そして「そうは言っても……」と言いたくなるところを宮田さんが上手く補っていくという、非常にバランスのとれた顔ぶれだと思いました。
さらに森崎先生が持ち前のユニークさで会場の雰囲気を和ませていました。森崎先生が「現場の話とか言いにくいときは語尾に『という小説があります』とつけるとよいです」という話をしたら、横塚さんがそのあと天丼(同じネタを繰り返し使うこと)で事例を小説にしたてまくるというように、全員ノリがよく、参加者側も思わずツッコミを入れたくなるような100分+延長15分でした。

Agile Japan 2015 A-4

ざっくり全体のまとめ

全体をざっくりまとめると、こんな感じでしょうか。

  • これからの時代、アジャイルは絶対に避けて通れない!
  • しかし顧客も経営陣もアジャイルに対する知識レベルが低いため、教育が必要!
  • アジャイル開発を導入するために全員を説得しなければならないと考えずに、まずは「やりたい」と思う人を支え、上司や経営陣に導入メリットを説明することで説得する

どう良くなるかを説明することが肝

一番印象に残ったのは「アジャイルを取り入れることで、先方にとって何がメリットになるのか?」を考えて説明ができることが重要、ということです。
アジャイルを取り入れる際、ついついアジャイルのやり方を経営陣や先方に説明してしまいがちですが、そうではなく、何が変わってどう良くなるのかを説明しなければならないという話は、私を含め多くの方々の気付きになったと思います。
ある程度のところでチェックポイントを持たせ、その時点で駄目ならウォーターフォール(以下WF)に戻せるような提案をするのも良い案だと思いました。

議論「アジャイルかWFか」

また、よく「アジャイルかWFか」という議論が行われることがありますが、そのことに対して、「アジャイルがよい、WFがよい、というつまらない議論はしない。それは「相撲がよい」「ラグビーがよい」という話と同じで、スポーツが違うんだから話にならないでしょう?!相撲をやってきた人がいきなりラグビーをやりたいとは思えないのと同じように、会社のカルチャーを変える問題はいっぺんには変えられない。だから取り組みたいと思う人を支えていくことが大事。」といったお話がありました。

確かに良い悪いではないし、比較するものでもないと感じています。「やりたい!」ということが大事です。
「アジャイルでやれと言われたから」「早くて安くすむから」「ドキュメントを作らなくてよいから」といった安易な思いだけでは説得もできないし成功もしません。

もう一つ、新しいことに挑戦するときに事例を求められることがありますよね?そういうときは「世界初です!!(キリッ)」と回答するとよいそうです。確かに!

規律ある技術力を身につけていく

個人的には品質会計をアジャイルで行う話(基本的にはWFと変わらない。早期返済を実現するためにペアワークやテスト自動化およびCIを取り入れ、開発スプリント3回+リリーススプリント1回のサイクルにして、リリーススプリントでシステムテストを行う仕組みを規定して品質を確保する)が聴けたのがうれしかったです♪

とはいえ、なかなか上手く実践できないのですよね。誉田さんの「アジャイルになるほど規律ある開発(技術力)を身につけている人じゃないと対応できない」という言葉は今現在骨身に染みています。技術力がないと手段が限られてしまい柔軟な対応ができず、速度についていけないのです。
ただ、宮田さんがおっしゃられた、技術力を身につけてこなかった人もその人が悪いわけではなく、その人にやる気があれば場を与えるべきである、というのも同感です。

今を変えていこうよ!という仲間が増えること、そんな仲間と仕事ができるようになること、そんな小説ではなく現実が訪れることを願いつつ、私が今できることを考えていこうと思っています。

Agile Japan 2015 A-4


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