Agile Japan 2013 テーマセッション A-1
- セッション:大手ベンダーが組織的に取り組むアジャイル開発の普及展開 〜お客様と共に時代を勝ち抜くための新しい「手札」を増やす〜
- スピーカー:小原 由紀夫さん(株式会社富士通アドバンストエンジニアリング)、誉田 直美さん(日本電気株式会社)、新井 広之さん(株式会社NTTデータ)、Mehra Rohitさん(株式会社NTTデータ・グローバル・テクノロジー・サービス・ジャパン)
大手ベンダー枠は以前からあったものの、今回ほど手の内を明かすとは思いませんでした。自称「周回遅れの大手ベンダー」がどのように巻き返しを図ろうとしているのか、興味深いセッションでした。
■「周回遅れの大手ベンダー」それぞれの挑戦
80名近くの参加者を前に、NECソフトの安藤 寿之さんと富士通の和田 憲明さんとの息の合ったオープニングではじまりました。そして、各社から組織的な取り組みについてテーマを絞って紹介されました。
富士通:テーマ「マネジメント」
プロマネ向け教育が体系化されていて、正直驚きました。さらに驚いたことに、入口で配布された資料にそのパンフレットが入っていて、外販しているとのこと。TPSやPMに詳しい小原さんの発表内容は、リーンソフトウェア開発の7つの原則から引き出されており、PMが持つスキルの重要性を感じました。
NEC:テーマ「品質」
『ソフトウェア品質会計』の著者であるNECの誉田さんが「NECアジャイル」を紹介しました。品質を軸に従来技法と組み合わせて体系化されていました。「バグは負債で放っておくと利子がつく」という話はまさにそうだ!と納得のいく説明でした。誉田さんはアジャイル開発をとても深く勉強し試行し研究していると感じました。またトークもとても魅力的でした。
NTTデータ:テーマ「グローバル」
海外拠点と連携してSI開発するスタイルが当たり前で、特にインド拠点ではアジャイルが盛んだと紹介がありました。そして「8週間インドでアジャイルを体験する研修」を作ったそうです。値段は要問合せだそうですが(笑)。グローバル企業らしくインド人も流暢な日本語で発表していました。アジャイルとは関係ないですが、言葉をとても大切に扱っている感じが魅力的でした。
■会場を巻き込む大手ベンダーの本気度
そして、会場を巻き込んで質疑応答がはじまりました。10問くらいの質疑応答があったのですが、特に印象深かった回答をあげます。
- アジャイルに限らずプロジェクトに大切なことは、成功の定義に向かっていくこと
- 作りたいものが明確でやり方がわかっているなら、ウォーターホールにすればいい
- どんな環境でも育つ人は育つ、育たない人は育たない
- 大手ベンダーの強みは、いろいろな人材がいること
ダイバーシティの高いチームを作ることによって、視点が多様になる
テキパキとした進行の中、会場全体が納得感で包まれるような回答で、大手ベンダーの本気度が聴衆に伝わった熱気あふれるセッションでした。
公認レポーター 宇野 美紀
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