Agile Japan 2013 テーマセッション A-3
- セッション:リーンスタートアップのキャンバス活用:日本の新規事業開発最先端企業リクルートキャリアでは
- スピーカー:細野 真悟さん(株式会社リクルートキャリア)、和波 俊久さん(Lean Startup Japan LLC)
■売れる!と思ってリリースしたサービス、ホントにお金とれるの?
前半は、リクルートの細野さんによる「ソーシャルカレッジ(略称:ソシカレ)」開発体験談でした。ソシカレは大学生の就業力向上のための学習Webサービスです。
まず最初に言わせてください、こんな大企業で新規事業を立ち上げた細野さんとその関係者の方はホントに偉大です。しかも、日本e-Learning大賞を受賞するほど品質が高い。
でも。
ソシカレは結局、サービス終了になったそうです。
実は、良いサービスとお金がとれるサービスって違うんです!良いサービスでも、使ってもらえないと儲からないんです!
なぜ、良いサービスとお金がとれるサービスとの差が生まれるのか?必ず使ってもらえると思い込んでいたことが、この差を生んだのです。
実際の体験談を交えて説明していたので、細野さんの説得力は半端なかったです(ぶっちゃけ話が多く、いっぱい笑いました)。
良いサービスとお金がとれるサービス、この差を埋めるために「リーンスタートアップ」が登場します。
■リーンスタートアップで儲かるサービスは作れるか?
細野さんの体験談からリーンスタートアップジャパンの和波さんによるリーンスタートアップの話に続きます。
早速、見出しの答えですが、私の意見は「No」です。
リーンスタートアップは、あるアイデアが本当にビジネスとして成り立つのかを検証する活動です。どんなアイデアでも儲かるサービスにできるわけではありません。検証した結果、ダメであればダメなのです。
和波さん、細野さんが同じことを言っていました。
ビジネスになりそうなアイデアを考えるのが一番難しい
私も「そうですね!難しすぎます!」と思わず手を挙げそうになったのですが、恥ずかしいのでやめました。誰か良いアイデアがあったら教えてください……。
■僕たちはツールによって制限を受けている
仮に、ビジネスになりそうなアイデアがあったとして。このアイデアをテーマ化するには上司の承認を得ないといけない。上司の承認を得るには分厚い提案書を書かないといけない。時間をかけて書いてみたものの、承認却下……。
これ、フィードバックまで時間がかかりますよね。細野さんも和波さんの横でうなずいていました。
そこで「Lean Diagram」が登場します。
Lean Diagramの詳細はこちらに記載されているので、ここでは省略します。
Lean Diagramを使えば、分厚い提案書というツールを選択する必要はないのです。
セッションの最後は、ワークショップ形式でLean Diagramを使ってみました。参加者から出してもらったアイデアがビジネスとして成り立つのか検証するというものです。10分ほどでしたが「ターゲットを絞らないとビジネスとして考えられない」という結論に至りました。
早いよ!10分で問題に気づいたよ!
予想以上のスピードでLean Diagramの良さを実感できました。
■仮説は仮説でしかない
これは売れる、使ってもらえる、という「仮説」を持って開発することは重要だと思います。ただ、その「仮説」を検証しないまま「思い込み」になってしまう。これは危険です。せっかく作ったのに誰にも使ってもらえないサービスになってしまいます。
やっぱり自分で作ったモノは多くの人に使ってもらいたい!一層、良いモノづくりをしたいと思えるセッションでした!
参考
- アーリーアダプターに出会うための最初の1枚 “Lean Diagram”
- Lean Diagram ダウンロードサイト
- Lean Diagram Facebookページ
- LeanDiagramを用いたProblem/SolutionFit 日本語説明
公認レポーター 西出 皓一
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