- 著者:世川 行介
- 発行所:同時代社
- 価格:1,600円+税
- お薦め度:★★★★☆(★5つが最高)
概要
本書は、ある政治家を分析・評価する本である。マスコミに叩かれ、国民に嫌われ、同じ派閥内でも公然と反発されてしまう政治家を。そしてそれをものともせず、何度でも立ち上がってくる強かな政治家を。
田中角栄が自民党幹事長として采配を振るった1969年、小沢は初当選する。以降、数々の派閥・政党の歴史の渦に身を泳がしていく。
89年・自民党幹事長、93年・新生党代表幹事、98年・自由党党首、06年・民主党代表..輝かしい経歴の裏に、同じ数だけ敗北の歴史が存在する。そして表に出てこない、小沢を取り囲む人々の負の感情もまた、存在している。
目次
- 急変する世界
- 傲慢な小沢
- 欲望というドラマ
- 孤独な後退戦
- 敗れ続ける小沢一郎
- 小沢一郎の栄光
- 二つの<父性>
- 夢の成就
- 小沢一郎という<悲劇>
お薦め度
★★★★☆(★5つが最高)
正直、小沢一郎に対する見方が変わった。もちろん、彼自身のカネや権力についての問題は解決しなければならないと思う。しかし、もしそれを評価するのであれば同様に、彼のそれぞれの立場での行動や、掲げた政治理念についても評価すべきではないのかと感じた。
著者は小沢擁護色が強い。それは差し引かなければならない。ただ、この本なり、この政治家を軸にして、日本の政治を考えることは、決して悪いことではない。
柴田 浩太郎 2011.1.29
富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)
社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。
※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。