• 著者:柳 広司
  • 発行所:角川書店
  • 価格:1,500円+税
  • お薦め度:★★★★☆(★5つが最高)

概要

スパイ小説。

スパイ養成機関の絶対的指導者と、そこに集められた優秀すぎるメンバーが主人公。

荒唐無稽といってしまえばそれまで。だが、「007」や「ゴルゴ13」を楽しめる人なら、この本も楽しめるだろう。

多少無理めな設定もあるが、信じさせようとする著者の筆力と、信じたいと思う読者の想像力があれば、それは乗り越えられる。

二者を結びつけるのは、思想か。

目次

  • ジョーカー・ゲーム
  • 幽霊(ゴースト)
  • ロビンソン
  • 魔都
  • XX(ダブルエックス)

お勧め度

★★★★☆(★5つが最高)

特殊な環境にある人間、自分ではない他の誰かの人間の気持ちの中に入るためには、その人間の考え方が理解できなければならない。その考え方の柱を著者が提供できるか否か、また、読者が共感できるか否かが鍵である。

この本には、その考え方の柱がある。その鍵は「存在を消す」だ。

柴田  浩太郎 2010.11.25