- 著者:長谷川 英祐
- 発行:株式会社メディアファクトリー
- 価格:740円 + 税
- お薦め度:★★★★☆
概要
著者は真社会性(=特殊な集団構成を持つ)生物の専門家。馴染み深いアリやハチなどの「集団と個の関係」について丁寧に紹介している。
一言でいえばムシの社会は、仕事が生じたときに全体の情報伝達や共有なしにコロニーの部分部分が局所的に反応して処理してしまう、というスタイルなのです。(P36)
つまり、腰が軽いものから重いものまでまんべんなくおり、しかしさぼろうと思っているものはいない、という状態になっていれば、司令塔なきコロニーでも必要な労働力を必要な場所に配置できるし、いくつもの仕事が同時に生じてもそれに対処できるのです。(P58)
目次
- 序章 ヒトの社会、ムシの社会
- 第1章 7割のアリは休んでる
- 第2章 働かないアリはなぜ存在するのか?
- 第3章 なんで他人のために働くの?
- 第4章 自分がよければ
- 第5章 「群れ」か「個」か、それが問題だ
- 終章 その進化はなんのため?
お薦め度
★★★★☆
ある分野をちょっとかじっただけで、全てが分かったように語る人がいるが、著者は180度異なる立場だ。飽くなき興味、長い間の観察、そして静かな謙虚さの上に積み上げられた洞察は、生物と人間との相違点と共通点を、見事なまでに浮き彫りにしている。
2012年05月07日
富士通株式会社 柴田浩太郎(Kohtaro Shibata)
社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。
※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介をご本人の許可をいただいて掲載しているものです。