• 著者:トーマス ギロビッチ
  • 訳者:守 一雄 / 守 秀子
  • 発行所:新曜社
  • 価格:2,900円+税
  • お薦め度:★★★☆☆(★5つが最高)

概要

本書の意図を、著者はこう記す。

本書では(中略)、まず、誤った信念や信仰がどのように生み出されるかを考える。そして、それがなぜ信じられ続けるのかについて検討する。(P2)

この検討経緯には、豊富な事例と、人間の本質が散りばめられている。

人は、物事を後から説明づけることに対して、特筆すべき能力を有している。(P34)

心理学者たちは、望ましくない反応を罰するよりも、望ましい反応をほめてやることの方が、一般により効果的であることを見出している。ところが、一般の人々にとっては、こうした事実は受け入れがたく、昔も今も大半の親たちが好んで用いるしつけの手段は、ほめることではなく、叱ることである。(P43)

興味深いことに、ギャンブラーは、自分が賭けに勝ったときと負けたときの個人的な記憶を、きわめて巧妙に改変していることがわかったのである。(P88)

目次

  • 第1章 はじめに
  • 第2章 何もないところに何かを見る
  • 第3章 わずかなことからすべてを決める
  • 第4章 思い込みでものごとを見る
  • 第5章 欲しいものが見えてしまう
  • 第6章 噂を信じる
  • 第7章 みんなも賛成してくれている?
  • 第8章 種々の「非医学的」健康法への誤信
  • 第9章 人づきあいの方法への誤信
  • 第10章 超能力への誤信第11章 誤信への挑戦

お勧め度

★★★☆☆(★5つが最高)

訳者あとがきに、書かれている一文が正しいと思う。

本書は、学術書ではなく、原著者の言葉を借りれば、「知的な一般人」を読者に想定した教養書である。(P329)

どうりで私には難しいわけだ。知的な方、心理学の素養のある方どうぞ。

柴田  浩太郎 2010.9.14

富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)

社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。

※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。