• 著者:結城 浩
  • 発行:ソフトバンク クリエイティブ株式会社
  • 価格:1,800円 + 税
  • お薦め度:★★★★★

概要

表題はこの物語の二人のヒロインを指す。一人は同級生の才女、ミルカさん。そしてもう一人は、一学年下の元気少女、テトラちゃん。二人に関わる男の子の横顔はこんな感じだ。

一番好きなのは、数式の展開だ。授業に出た公式をノートに再構成する。与えられた定義を元にして、そこから導ける公式を作り出す。定義を変形する。具体例を考える。定理の変化を楽しむ。証明を考える。・・・そんなことを、ノートに書いていくのが好きだ。(P8)

三人は、さまざまな数学の問題を解いていく。

目次

  • 第1章 数列とパターン
  • 第2章 数式という名のラブレター
  • 第3章 ωのワルツ
  • 第4章 フィボナッチ数列と母関数
  • 第5章 相加相乗平均の関係
  • 第6章 ミルカさんの隣で
  • 第7章 コンボリューション
  • 第8章 ハーモニック・ナンバー
  • 第9章 テイラー展開とバーゼル問題
  • 第10章 分割数

お薦め度

★★★★★

本書全般に、数学好きにはぐっと来る言葉が散りばめられている。

数学は言葉を大事にする。できるだけ誤解が生じないようにするために、数学は言葉を厳密に使うんだ。(P19)

誰からどう思われようと、誰から何と言われようと、自分で納得するまで考える。(P96)

調和階級の発散が、素数の無限性の証明に結びつくとは・・・驚きだ。なんという宝物だろう。(P206)

中でもしびれたのは、この一文。数学好きならではの生活感だ。

デジタル時計は23時59分を示している。23も59も素数だな。(P275)

2012年03月28日

富士通株式会社 柴田浩太郎(Kohtaro Shibata)

Kohtaro Shibata

社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。

※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介をご本人の許可をいただいて掲載しているものです。