セッション:[B-1] 壁と私とコミュニケーション

スピーカー:田口 昌宏 (@masahirotaguchi) さん

■壁ハ偉大ナリ

開始早々、午前中のキーノートのネタをツカミにカブせて会場の笑いをかっさらったのはさすが、午後イチのちょっと重い雰囲気を吹き飛ばしました。

今から数年前、とあるプロジェクトで始めたみたタスクボードと朝会。始めた理由は、なるべくコミュニケーションをとりたくなかったから、と事実かネタか分からないような話でしたが、後で考えてみると、強制的に押し付けて始めるより、逆説的に壁を中心にコミュニケーションが生まれる空間ができるし、自分の口から良さをとうとうと語るよりも、メンバー自身が良さを実感して取り組むようになるのは、状況によってはアリなのかと思いました。

このように壁にタスクボードで「見える化」したものは、常に情報を発信し続ける(能動的にファイルを開くといった操作なしに目に飛び込んでくる)し、解像度にとらわれず情報量が多く、そしてなによりみんなで集まって見ることができます。
また、日々のタスクボードをスマホで撮って電子化し、数日分、数ヶ月分とつなげると全体のトレンドがつかめるというのは、ちょっと新しい発見でした。

 

■楽しそうなバスにする

毎日の開発作業を楽しいものにしたいと、KPTのTryをポーカーのチップで賭けてみたり、朝会の際の前日のベロシティの計算当番という面倒な作業を「スーパーイタイワニー」で決めてみたり、といったゲーミフィケーションの要素で実施しているお話も紹介されました。ちなみに、3日連続で「ワニ」に噛まれた日には、面倒と思うよりも「おいしい」と思ってしまうのは関西人だけでしょうか?

最後に、宮沢賢治の言葉から「プロジェクトで自分一人だけ幸せになることはない」という話とセバスチャン・シャンフォールの「人生において無駄にした一日は、笑わなかった一日だ」というのを引用して、少しでも開発現場に笑顔があるように、全力で笑わせにいくというお話がありました。

今日の話を聴いてるだけでも、本当に楽しいバスにみんなで乗っている様子がうかがえました。やっぱり1日に1回は笑いたいし、そもそも仕事も人生も楽しむためにあるものですよね。あらためてそのことを思い出させてくれました。


公認レポーター 佐藤 嘉亮