• 著者:ナンシー関
  • 発行所:文藝春秋
  • 価格:1,143円+税
  • お薦め度:★★★★★(★5つが最高)

概要

「週刊文春」の人気コラム、その単行本化。

再録期間は、97年7月~98年7月。

一つ一つの文章は、リズム感にあふれ潔い。

テレビ欄の切り抜き、消しゴム版画のイラストが花を添えている。

歌うことを労働とするのが歌手で、演じることを労働とするのが俳優なら(今、純粋にそうゆうケースは少ないにしても)、河合俊一は生きていることが労働なのである。ライフ イズ ショータイム。テレビを見ることによって、そんなものを消費させられる。それが河合俊一的問題なのである。(河合俊一は生きていることがすなわち労働である P53)

結論として、罪は浅利慶太にある。欽ちゃんじゃなくてもいいんだったら欽ちゃん選んでいたずらに心を惑わさんでくれ。人選、いや駒選びのセンスのズレは言うまでもない。閉会式マル秘大物ゲストが杏里だよ。大物か?杏里。「ふるさと」歌わされてんの。「キャッツ・アイ」だぞ。「キャッツ・アイ~2000」リメイクの杏里だよ。関係ないじゃん「ふるさと」と。あと覆面バンド、アガルタのボーカルが実は角松敏生って、顔見てもわかんないのに覆面するなよ。何よりも開会式がああだったのに、閉会式もこうだったという一本調子。日本人はみんないろりばたでワラを編んでるのが日常か。なんだかなあ。浅利慶太を選んだのは誰なんだよ。(欽ちゃんを冬季五輪に出した浅利慶太の罪 P135)

偏見だ、と批判する人もいると思う。

しかし多くの読者が笑い、支持したのはそこに共感する何かがあったからだ。

それは、著者と読者のブラウン管の向こう側に対する憧れと賞賛なのかもしれない。

目次

  • 第1章 岡村は「小さい」からこそ岡村である 他15編
  • 第2章 「ワインでできている」川島なお美を理解できるか 他14編
  • 第3章 中村玉緒の演技過剰がもたらす番組の危機 他16編

お勧め度

★★★★★(★5つが最高)

電車の中で笑いを殺しながら読みました。

周りに座っていた方、ゴメンナサイ。

柴田  浩太郎 2009.12.9

富士通株式会社 柴田浩太郎(SHIBATA Kohtaro)

社内プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師・運営を担当。食べ物は、お好み焼き、たこ焼き、焼きソバなどソース系全般を好む。

※このコーナーはこうたろうさんが知人宛にメール配信されている図書紹介を許可をいただいて掲載しているものです。