「DEEP AGILE PEOPLE」 〜本には書かれていない、アジャイル開発の本気の討論会〜


 

立ち見が多数出るほどの盛況ぶりにもかかわらず、パネラーの3人は全く意に介さないハートの持ち主です。自由すぎる会話の中で印象に残った会場からの話題、質問を紹介します。

 

■優先順位をどう決めるか?


この話題の最初にパネラー同士が確認したのは、次の2点です。

  1. 優先度と優先順位は別物である
  2. 優先順位を決めるのは優先度を決めるより難しい

 

■優先順位の重要性を考えさせる荒療治


原田氏が提案したのは「あえて一度失敗してみせる」手法です。マネージャーやお客様が順位付けの重要性を認識せず「全部重要。全部急ぎで!」とマルチタスクを要求してきたら、最初にやることを自分で選んでいいというのと同じことだよね?という発想にしてしまうのです。さらにすごいのは、あえてどうでもよさそうなことを先にやるといいと言うのです。そのイテレーション結果を見せて「こんなはずじゃない」と優先順位を真剣に考えてもらえるようになったら作戦成功です。

全部頑張れと言われたら、みなさんはどうしますか?私だったら自分なりにわかる範囲で一番重要なものから手をつけると思います。あえて逆を行く対処法は面白い発想ですが、怒られることを覚悟しなくてはいけない分、勇気が要りますね。

 

■標準は土台に過ぎない


パネラーの会話の中で、標準化チームの役割ってどうなの?という話が出たので、標準を持つこと、専門チームを置く必要はないのだろうか?と会場から質問がありました。

標準は改善するための基礎として有用であり、各チームで変えていくべきであると前置きした上で、原田氏は先の発言の意図を説明しました。標準化チームが問題となるのは、土台という領分を超えて、その上に建つ建物の形まで決めようとするケースです。牛尾氏も「考えないでできるようにするための標準はダメ」と援護射撃。

私自身、共通化部門の一員ということもあり、この話を聞いて反省の一言につきます。一時期は現場のやり方に口を出しすぎていた感もあり、自分達の領分をわきまえねばと思いました。

 

■標準には失効日を決めろ!


標準を作る際のコツとして原田氏の挙げたポイントは、古いものを使い続けないために失効日を決めることです。そして、失効日を迎えたら破棄するか、修正するか、そのまま使うか、判断するために問えと言います。

考える機会を最初に設定することは大事だと思いました。作るときは頑張ります。でも、失効日を決めていないか、決めていても運用されているか怪しいケースが多いような気がします。情報や作った標準の鮮度は日々落ちていくのに、整理せずに追加していけば、どれが有用なのか判断できませんね。

 

■アジャイルはあなたから始まる


会場からアジャイルの達人たちへ「アジャイルに取り組みたいけど、どこから始めたらいいですか?」という質問が出ました。
「アジャイルで何か解決できると思ったのなら、自分のチームまたは自分だけでも始められる」と牛尾氏が口火を切りました。川端氏も「ちゃんとやりたいのはわかる」と前置きし、自分ができていると実感できるステップを設けることで自信を持って周囲に勧めたり、広げられるだろうとアドバイスをおくりました。川端氏の発言を受けて、原田氏も「実験するのはいいよ」と後押ししました。

アジャイルって一人でもできると再確認できてホッとしました。私は現在開発に携わっていないので、人の段取りだとか事務的な作業が中心です。単調なことが嫌いなので、開発以外の場でも使えるプラクティスを実践して仕事をゲーム感覚で楽しんでいます。まさに一人アジャイルです。そういう姿勢を周りの人が見て、真似したい!教えて!と言ってくれる日が来るかなぁ?

 


公認レポーター:原田 美香

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