「クックパッドがリーンスタートアップから学んだアジャイルな開発」

橋本 健太氏、玉川 憲氏
セッション詳細


 

毎日の料理を楽しくする、という理念を持っているクックパッドのリーンスタートアップ事例紹介です。

リーンスタートアップの流れは

  1. 仮説
  2. MVP(Minimal Viable Product)
  3. BMLループ(Build, Measure, Learn)
  4. Pivot

の繰り返しであることを説明されたのですが、その中でもクックパッドのMVPに関する事例がおもしろかったのでここに紹介します。

事例1:バレンタインレシピ

バレンタインのレシピを有料販売するというアイデアに対して、そのMVPはプログラミングでシステムをつくるのではなく、レシピを印刷したものを女性社員に見せて、これに300円を払うのかと聞くのだそうです。
これでは300円は払えない、もっとこうした方がいいという意見を基にしてアイデアをブラッシュアップしているのです。(ちなみにクックパッドと言うサービスにとって、バレンタインは一年間のうちでアクセスがもっとも集中する時期だそうです)

事例2:新しい検索機能

新しい検索機能をつくるというアイデアに対して、やはりそれもシステムをつくるのではなく、スーパーに「クックパッドで新しい検索を試験運用します。メールで検索結果を送ります。」というチラシを貼って、アクセスしてくるユーザーがいるかどうかを確認するのだそうです。

これらの事例に限らず、MVPにはメールが相性がいいらしいです。そして、試験的に使ってくれるユーザーにお金を払ってもらうことが、正直なフィードバックを得るためのコツなのだそうです。

クックパッドではリーンスタートアップという英語の本が出たときに、これは100%共感できるしクックパッドに合う概念だと感じて、それを全社員が学ぶことを決定したのだそうです。半年ほど待てば日本語版が出版されることも知っていたそうですが、半年待つのは命取りになりかね無いとの判断で、原著で読んだそうです。このスピード感にも驚かされました。

 

ちなみに、リーンスタートアップの著者であるEric Riesが4月に来日して講演をするそうですね。

こちらも楽しみです。


東京サテライト公認レポーター:水越 明哉
(早版はスピードを重視した版です。内容の充実度よりもいち早く発信することを優先しています。)