組織に暮らす人の「内側」を照らすワークショップ:Agile Japan 2014 レポート (13)

Agile Japan 2014 ワークショップE-1


どうしたら周囲の人を巻き込み、アジャイルな組織に変えていくことができるのでしょうか

この大きな問題に真っ向から思慮を巡らせる試みが、このワークショップでした。

アジャイルのいいところを知る

まずはチーム分け。導入したいアジャイルの精神にのっとった開発手法の種類で分かれます。スクラムを導入したい1チームと、独自の開発手法を導入したい2チームでワークショップが始まりました。

最初のミッションは「アジャイルのいいと思うところを見つける」ことでした。

アジャイルと聞いて連想する「いいと思うところ」を付箋に書き出し並べていきます。いいと思うプラクティス、いいと思う文化、いいと思う光景……、チームメンバーのさまざまな視点から「いいと思うところ」がカラフルな付箋の絨毯を広げていきました。

続いて模造紙一面に広がった付箋の絨毯をチームで整理します。何に興味が寄っているのか、どんな傾向があるのか。
「ポジティブな思考ができる」
「笑顔が多くなる」
「人間中心のコンセプト」など、私のチームでは精神面に関する事柄が多く見られました。

ワークショップのようす(Agile Japan 2014 ワークショップE-1)
ワークショップのようす(Agile Japan 2014 ワークショップE-1)

反対者を知る

次のミッションは「アジャイルを導入するときに反対する人をイメージして、その人の背景や特徴を書き出す」ことでした。

アジャイルの導入を嫌がるのはどんな人なのか、チームで膝を突き合わせて考えます。アジャイルの導入に反対する人、すなわち「今のままで困っていない人」は、何を考えているのか、どう思っているのか。地位が大切だから?変化を嫌うから?精神論でなんとかなると思っているから?
「私、こんな人が上司だったら辞めてると思う」
そんな特徴が付箋に書き出され、ペルソナとして生まれました。

この議論の中で、チームメンバー間の文化の違いもあらわになりました。「アジャイル」という言葉だけが独り歩きしている会社。「アジャイルな精神」が社内に浸透し、理解を得られている会社。「アジャイル」という言葉もない、時間の流れがよどんだ会社……。
それぞれの価値観のぶつかり合いは、深い気付きへと導くのに充分でした。

反対者を説得する

最後のミッションは「実際に説得する」、ロールプレイが待っていました。自分たちが生み出した「アジャイルの導入を全力で拒む人」が目の前に現れ、私たちに対抗するのです。

会場中央に椅子を向い合わせに並べ、決戦の場が整いました。2つのチームが向い合って座り、一方は「全力で説得する人(チーム)」、もう一方は「全力で拒否する人(チーム)」としてロールプレイングを行います。

ロールプレイング(Agile Japan 2014 ワークショップE-1)
ロールプレイング(Agile Japan 2014 ワークショップE-1)

「全力で説得する人」VS.「全力で拒否する人」の戦いの火蓋が切って落とされました。数字や政治、利点を駆使して「全力で説得する人」に対峙するのは、技術や時間、たんかで反論する「全力で拒否する人」。
(今まさにどこかの会社で繰り広げられているのでは?)
そう思うくらいリアルな説得戦は全3試合が行われ、結果は「全力で拒否する人」の全勝。「全力で説得する人(チーム)」の敗因は、ターゲットを見誤りだったり、相手の価値観を理解しきれていなかったり、他のメンバーと協力せず、ひとりで説得していたりといったものでした。
現実でも同様の理由で失敗することはよくあるだろうな、と納得する空気が総括と共に満ちていました。

アジャイルのいいところの再発見や否定的な人の価値観の理解だけでなく、交渉力も身につくすてきなワークショップでした。

ロールプレイング中の執筆者(Agile Japan 2014 ワークショップE-1)
ロールプレイング中の執筆者(Agile Japan 2014 ワークショップE-1)

公認レポーター 上條 飛鳥

執筆レポート

http://www.manaslink.com/asuka-kamijo


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