日本だからこそ「品質をつくりこむ」:Agile Japan 2013 レポート(16)

Agile Japan 2013 キーノート K-1


■Jamesさんとの出会い

明日はAgile Japan 2013という夜、イベント開催前の意識合わせ・ビジョン共有を目的として「アジャイルジャパン前夜祭」が開催されました。

レポーター役かつ富士通コミュニティサテライトオーナーとして参加した私のテーブルに、この基調講演の講演者であるJamesさんがいらっしゃいました。とても気さくにお話ししてくださるのですが、英語のみの会話に「自分の英語は早すぎないか」と気を遣っていただき、「もう少しゆっくり」をリクエストしてなんとなく楽しい時間が過ぎていきました。そのおかげか、当日登壇したJamesさんを見て、厚かましくも親しい知り合いが講演するかのようなドキドキ感がありました。

■不幸な調整

Ken(Ken Schwaber)にスクラムの採用で起こりがちなことを聞くと「不幸にも多くの組織がその能力不足や機能不足を解決するのではなく、それに合わせてスクラムのやり方を調整してしまう」とのこと、カイゼン活動を推進していてもよくあることで、(エラそうですが)同感です。

この話を聞いて、カイゼン活動でよく取り上げる「守破離」を思い出しました。過信から「カイゼン」のタイミング・内容を間違えるとうまくまわらなくなるのは当たり前です。それをどう伝えるかというのは大きな課題だとは思いますが、やはりその後にも出てきた「大事なことは隠さずにみんな明らかにする」ということを徹底するのでしょうね。
agilejapanカイゼンフェスタ_James Grenningさん4

■今日持ち帰ってほしいこと

Jamesさんは「今日持ち帰ってほしいこと」として次の3つをあげました。

  • テストは自動化する
  • 再テストのコストを低く保つ
  • システムを動かし続ける

「テストする余裕はない」と言うれけど「テストしない余裕はない」でしょう?技術的卓越とは、単にテストを通過させることではない。バグを追いかけいてる時間があるでしょう?とも追加され、皆がうなずきなら聞いています。
そして「そうは言ってもなぁ」と心の中の声が聞こえるようです。この聞こえない心の声に応えるかのように、立場ごとの「ToDo」が紹介されました。
agilejapanカイゼンフェスタ_James Grenningさん2

開発者のToDo

  • ものづくりのプロになれ
  • 新しいことを学んで挑戦せよ
  • 信頼関係を築け、自分の仕事を透明に見えるようにせよ
  • 自分の組織のアドバイザーになれ

さらに開発者のモチベーションを下げるようなこと、例えば「非現実的な締切」「事実を責める」「信頼関係がない」「低い品質の仕事をさせる」などに気を付けてほしいとのこと。でもこれは開発に携わる者だけではなく、立場に関係なく、人として大切なことですよね。

スクラムマスターのToDo

  • 自分のチームが、最新のプラクティスの知識を持っているようにする
  • 自分の組織が、その重要さを知っているようにする

「人は自分が知っている範囲で最善を行う」わけですから、知らないことを考慮できないし、知らないということも知らないでいるんですよね。

  • 問題解決を奨励する
  • 宗教信者にならない

なども挙げられ、スクラムをそのままではなく、ふりかえりを使って新しい技術を取り込んでいくことが重要ということでした。

マネージャーのToDo

  • 最高のチームを育てる
  • モチベーションを下げる要素をなくす、無理に上げようとしない

そして、悪いことも全て見せてどうやって解決するかを考えることが必要ということでした。

テストをしていないコードでは顧客を喜ばせられないので、チームで学習する環境をつくり、個人は自分のスキルを上げ、チームはふりかえりを行ってカイゼンしていくことが必要、とまとめて終了しました。

agilejapanカイゼンフェスタ_平鍋さん
講演の後、平鍋さんから

こういう話をしてほしかったんですよ。
品質大事ってみんな言うんだけど、時間がないと言う。でもテストでバグをたたき続けている時間はあるんでしょ。

日本だからこそ「品質をつくりこむ」ことを考えてほしい。
スクラムの枠組みだけやってもダメで、技術的なプラクティスを取り入れて開発していく、そんな環境をつくっていきたいです。

とお話がありました。今さらながら、平鍋さんの想いのこもった基調講演だったんだなぁ、と重く受け止めました。

Jamesさんのこの講演は、自分の立場で品質をつくりこむために何ができるのか、一人ひとりが考え始めるきっかけになったと思います。

公認レポーター 宇野 美紀


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  2. RT @hiranabe: “Jamesさんのこの講演は、自分の立場で品質をつくりこむために何ができるのか、一人ひとりが考え始めるきっかけになったと思います。” 日本だからこそ「品質をつくりこむ」:Agile Japan 2013 レポート(16) http://t.co/xW…

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