「現場に続くAgileの道を語ろう」 〜アジャイルサムライ読書会が変えてきたこと〜


 

■「アジャイルサムライ」から生まれた道場


アジャイルサムライ」は、昨年7月に国内で販売が開始されてから既に13,000部ものヒットとなりました。ただ、本を読んでも、すぐに自分の仕事の中で実践していくにはいろいろと悩んだり難しかったりといった現実があり、読者同士が議論したり、試してみる場としての読書会が「道場」という新しいコミュニティのかたちで誕生し、各地に広がりを見せています。

道場は、たとえば、見積もりや契約、上司の説得方法など必ずしも正解のない、でも同じことで悩んでいる人がたくさんいるような問題に対して、私はこうやってみたというヒントや、こうやってみたけどダメだったという話をしたり、「アジャイルサムライ」に出てくるプラクティスを実践、体験してみる場所です。そこはもう単なる情報交換の場ではなく、この問題に悩んでいるのは自分だけではない、「仲間」がいたんだという認識がもてる場でもあり、それはとてもうれしいことなんだといった声も聞かれました。

 

■集結した道場主と会場の参加者との対話


そんな日本各地の道場から10人の道場主たちがこの会場に一堂に会して、道場主とアジャイルジャパン参加者との場というセッションが始まりました。

まずは、各地の道場 ―横浜道場、島根道場、BIGLOBE道場、金沢道場、新宿道場、エイチーム道場、TIS道場、京都道場、湯島道場、そしてDevLove道場― ひとつひとつの紹介が行われました。どの道場も開催の経緯や道場での内容、開催時間も早朝始業前や金曜の夜などとさまざまでした。
その後、各道場主がそれぞれ5〜6人ずつに分かれた参加者グループのテーブルにつき、道場主と参加者との対話が始まりました。参加者の中には、既にどこかの道場に参加している方もいれば、今日なにげなく参加された方、「アジャイルサムライ」を読んで実践したくて会社を辞めたという特別な思い入れのある方もいらっしゃいました。

 

■著者からのメッセージ


最後に、「アジャイルサムライ」の著者Jonathan Rasmusson氏からのひと言もありました。
「みなさんの道場ができたこれまでの経緯や情熱を聴いて大変驚きました。こんなに学ぶことや業界を変えることに情熱がある人がいると思うと、そもそもこんな情熱を持った人がいないことが問題なのだから、日本のソフトウェア業界はとてもラッキーだと思っています。アジャイルサムライを読んで学んでくれていることに非常に感謝しています。私にお手伝いできることがあればお手伝いしたいので、怖がらずにメールででも一報をいただければと思います。」

会場は素晴らしい拍手に包まれて、今日最後のセッション「現場に続くAgileの道を語ろう」は終了しました。

 

あなたの街でも既に道場があるかもしれません。Twitterなどで一度、「#agilesamurai」をキーワードに検索すると見つかるかもしれません。もし仮に見つからなかったとしても、それは、あなたがその街の一番最初の道場主になることを意味しているだけかもしれません。

 


公認レポーター:佐藤 嘉亮
(早版をベースに加筆修正した正式版レポートです。)