「全体最適のマネジメント改革」
 ~変えるのは現場ではない、マネジメントである~

岸良 裕司氏
セッション詳細


 

全体最適とはなにか、という問いで岸良さんの講演は始まりました。
全体最適というと全体的に改善をすることだと考えてしまうかもしれません。その誤解をパワフルにわかりやすく説明してくれました。

複数人が関わっている仕事の中で、各自の生産量が

input → 20 → 15 → 10 → 12 → 16 → output

であった場合に、inputからoutputまでの全体の生産量は途中のボトルネックの10であり、その全体の制約である10に集中して改善することが本当の全体最適だと言うことです。

たとえばこの制約である10の部分がいつも多忙な社長だったとすると、この社長について働く時給1250円のバイトを雇い、社長本人でないとできない仕事以外の仕事をやってもらって、社長の生産量を20%アップさせて12にしたとします。
そうすると社長の生産量が12になっただけではなく、会社全体の生産量が12になり、20%もアップしてしまうのです。コストはバイト代の時給1250円です。たったの時給1250円です。

こういう全体最適のために常識や慣習や当たり前といったことを否定して効果的に改善していくTOC(制約理論)は何度聞いても壮快ですがすがしいです。

 

このほかにもマルチタスクゲームというマネジメントを考えさせられるゲームの紹介もありました。
はじめに、

1, 2, 3, ……, 19, 20
a, b, c, ……, s, t
△, ◯, ◇, ……, △, ◯

と言うように3パターンの文字や記号の列を縦に書きます。一つのパターンが一つのプロジェクトを意味しています。このときのペースを計ってみると遅くても一文字一秒くらいで書くことができます。

次にこの3パターンの列を”横に”一つずつ書いていきます。つまり、プロジェクトをまたがりながら

1, a, △, 2, b, ◯, ……

と書いていくのです。そうすると全体の作業時間が二倍近くかかってしまうのです。

優先順位を決めずに“どのプロジェクトも最優先”というマネジメントをすると合計時間が何倍にもなってしまうという、よくあるダメなマネジメントへの厳しい戒めを示してくれました。


東京サテライト公認レポーター:水越 明哉
(早版はスピードを重視した版です。内容の充実度よりもいち早く発信することを優先しています。)