「アジャイルのABCに向けたヒント」~IPA/SECの調査検討から見えてきたもの~


IPA/SECに設置されたワーキンググループでの検討およびIPA/SECが行った調査の結果が報告されました。

■アジャイル開発にふさわしい契約

まず初めに、契約方法として「基本契約/個別契約モデル」が提案されました。
これは、3年ほど前に実施された調査の中で見つかった課題に対して専門家らによって検討されたもので、昨年実証されているそうです。アジャイル開発モデルに対応した形態の契約で、プロジェクト全体に共通する事項は基本契約を締結し、個別の機能に関しては個別契約を順次締結するというものです。
(参考:非ウォーターフォール型開発に適したモデル契約書の改訂版を公開)

■開発手法を採用する際のポイント

開発手法には、アジャイル開発、ウォーターフォール開発、もしくはそれらをミックスしたハイブリッド型などいろいろとありますが、プロジェクトによって最適な手法を選択するのが重要ということでした。ハイブリッド型の適用例として、ソフトウェア製品のライフサイクルに応じて黎明期はアジャイル的な手法、安定したらウォーターフォール的な手法にするという方法も紹介されました。

■アジャイル開発に適している開発

アジャイル開発が得意とし、現在その適用により効果を挙げているのは、

  • 要求が変化する領域
  • リスクの高い領域
  • 市場競争領域

です。

■アジャイル開発の試行領域

アジャイル開発経験が十分に蓄積されていない、現在、チャレンジと創意工夫が求められる領域は、

  • 大規模開発
  • 分散拠点(オフショアを含む)開発
  • 組織(会社)間をまたぐ開発チームによる開発
  • 組み込みシステム開発

です。

■中・大規模開発での工夫

1、2年前に比べ、ここ最近、中・大規模開発での事例も増えてきているそうです。
中・大規模でアジャイル開発する工夫として、

  • チーム間ローテーションをし、知識を効率よく伝搬する。
  • 段階的朝会
  • 小さくはじめてだんだん大きくする。
  • コミュニケーション・ツールを活用する。
  • アーキテクチャを重視する。
  • 疎結合な単位に分解する。
  • テスト専用フェーズを設ける。

が挙げられました。

■中・大規模開発での課題

中・大規模開発が増えてきている中で、課題も明らかになってきています。

  • 全体計画の把握が困難
  • ビジネス企画側(要求を出す側)にボトルネック発生
  • 反復リズムとの不適合状態の発生
  • 外部テスト業者、外部組織との関連

などがそうです。

■Agile Japan 2012のテーマに向けたヒント

最後に、Agile Japan 2012のテーマ
「今こそ語り合おう、アジャイルのABC
Agileを知る、Businessをつくる、Changeを起こす
アジャイルジャパン 2012」
の”アジャイルのABC”に向けたヒントとして、

  • 積極的に(Aggressively)
  • 大胆に(Bravely)
  • 協調して(Collaboratively)

アジャイル開発に取り組んで頂きたい、と締めくくられました。

(参考)
本セッションで報告された調査結果の全体は、下記のページに公開されています。
「非ウォーターフォール型開発の普及要因と適用領域の拡大に関する調査」報告書を公開


公認レポーター:石前 あき

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