Agile Japan NRIサテライト

こんにちは、畠山です。
2018年2月9日にAgile Japan 2017の企業内サテライトNRIにて行われました。

受付にアジャイルの魂本を添えて

わたしがマナスリンクでAgile Japanの公認レポーターとして最後に記事を書いてから、5年近く月日が流れており、当時は考えもしなかった企業内サテライトが、自分の勤める会社で実現しようとはなんとも感慨無量です。

オープニングセッション

真っ黒の会場でアジャイル経験者は半分程度

ここ数年間のAgile Japan本体は、一度ラフな服装の参加者が増えた後、またスーツ姿の参加者が目立つようになったようにわたしの目からは見えていました。それは、仕事としてアジャイルに関わる機会が増え、自社のセミナー受講の一環として来る方が増えたことと、ここ数年はブロックチェーンなど金融業界が活発化していたためだと考えていました。
今回のサテライトはスーツ姿一色で、NRIらしくはありましたが、見事に真っ黒でした。

スタッフ以外、ほぼみなスーツでした

実行委員会の石橋琢磨さんのオープニングセッションの声かけによると、来場者のうち

  • アジャイル経験者は半分程度
  • スクラム経験者は3割程度

と、Agile Japanと名のつくイベントに自ら興味をもって足を運んできただけあり、かなり多くのアジャイル経験者が出席するイベントとなりました。社内的には、大規模なシステムのウォーターフォール型開発が主流ですので、これはかなり大きな割合かと思います。

オープニングセッションの様子

アジャイル宣言から17年たち、モダンアジャイルという考え方もでてきた中、新しい技術で新しいものを作る試みを一緒にやりたいひとがいれば、声をかけてください!という宣言で、Agle Japan 2017NRIサテライトが動き始めました。

ふりかえりワークショップ

飛び交う紙飛行機の山

セッションと並行して行われていた、ワークショップの様子を取材しようと部屋に入った瞬間、飛び交う紙飛行機に、なにが起きたのかと思いました。チームに分かれて、数名が競い合うように紙飛行機を壁に向かって飛ばしています。

森 一樹さん主催の折り紙の紙飛行機を使ったふりかえりワークショップでは、ふりかえりによる改善効果がちょうど見え始めた頃合いでした。

シャッタースピードが追いついていませんが、紙飛行機が飛んでいます

紙飛行機を一定距離(指定の場所から壁に当たる距離)、たくさんの数を飛ばすことを目的において、ふりかえりの効果を実践で学ぶワークショップです。参加していた4チームとも、下記のような創意工夫をこらし、短いスパンで改善効果がでていました。一定距離をきちんと飛ぶ紙飛行機の数が、どんどん増えていきます。

  • 折り方の標準化
  • 見せ合い、声かけをしながらの手順確認
  • 折る人と、紙飛行機を飛ばす人の役割分担

なにより改善の効果が数字として目に見えることが大きなモチベーションにつながっているのか、とても活気があるワークショップとなっていました。

あの平鍋さんがNRIに来てくださいました!

と喜んでいたら実は十年前にも講演で来てくださっていたらしい

福井が大雪に見舞われ飛行機が飛べるかわからない状況のなか、平鍋さんがNRIに足を運んでくださいました。講演前に、まだまだウォーターフォール型開発が主流のNRIでは、モダンアジャイルのような話はしても響かないかもしれない、といった会話をさせていただきましたが、さすが、絶妙な講演をしてくださいました。

NRIでこの光景が見られるとは、すこし不思議な感じがします

アジャイルは2000年からやっており、フェーズとしては、いま3周目くらいに入っている。と平鍋さんはいいます。

  • 1周目 新技術への感度が高い、エンジニア主体のとりくみ
  • 2周目 調達がおこらないのでアジャイルがやりやすい、サービス提供者のとりくみ
  • 3周目 自社でもうまく使えないかと模索する、既存の企業のとりくみ

ウォーターフォール型開発は大規模開発に適正がある反面、イノベーションを考えたときに、顧客の要求に応えるには遅すぎ、予算がかかりすぎてしまう。そのため、今後は既存の企業でもシリコンバレーのように、小さなチームに権限を委譲して、ワンチームでアジャイルでやっていくスタイルが増えていくのではないか。
アジャイルはある程度小さなスパンで学んでいくことができ、いろいろそのための手法がある。ウォーターフォール型開発は一発勝負で、抱えている爆弾が爆発してしまうと、取り返しのつかない事態になりやすいが、アジャイルでは爆弾が爆発しても小さくて済み、ふりかえりを通して処理のルールが決まっていき、上手になっていくことができる。

アジャイルソフトウェア開発宣言、いろいろ意見はありますが、わたしは好きです

アジャイルはゴール中心で、確立しているプラクティスも多いため、サラダバーのように必要なプラクティスを組み合わせて、おいしいサラダをつくればよい。何回も試せることに、ふりかえりの意味がある。という、仕込みがなかったにもかかわらず、ふりかえりを主題に置いたワークショップとのコラボレーションまで発揮された講演となりました。

まとめ

アジャイルに限らず、社外の知見に触れられる場というのは、エンジニアにとってとても大事です。忙しい業務の中でも社内ならある程度気軽に足を運べることもあり、このような試みがもっと社内的にも社外的にも一般的になっていけばよいな、と感じました。今回の盛況ぶりをみるに、年に複数回開催しても、満員御礼は何度も見込めるのではないか…と思います。

 

 

 

out of the boxシリーズ
ライター

畠山 由貴(はたけやま ゆき)

株式会社野村総合研究所 主任システムエンジニア

2008年より現職。ダイレクト販売を事業とする損害保険会社のシステム開発、保守に8年従事。アプリケーション開発から基盤構築、アーキテクチャ設計まで幅広い知識と経験を活かして各種リーダー、マネージャを担当。現在は、生命保険会社向けのシステム開発に従事し、標準化などの業務を担当。技術やプロセスと人間系の両軸に重きを置いたプロジェクト運営を心掛けながら、先進的なITソリューションを提供している。


1 Comment

平鍋健児 · 2018年3月7日 at 07:23

福井から雪の中行けて良かったです!一日ズレたら無理でした。
アジャイルの話というより、プロジェクトファシリテーションの話ばかりでしたが、みなさん飽きずに聞いてくれて良かった!

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