大きなSIerの中で「アジャイル開発で飯を食う」までの歩み

こんにちは、畠山です。DevLOVE関西にお邪魔してきました。関西出身ながら、しばらく帰っていなかったこともあり、みなさんの関西弁を聞くと懐かしさにほっこりしました。

記事にする前までにちょっと時間がたってしまいましたが、なんと、東京西新宿で再演(+αバージョン)があります。ということで、今回は予告編を兼ねています。

中村洋さんの、「DevLOVE関西は素振りの場、現場は実践の場」という言葉からスタートしました

「大きなSIer」にいまだありがちな・・・

「しっかり決めて、しっかり作る」大規模のウォーターフォール開発が主流の時代から、「小さく作ってすばやく価値提供する」DevOps時代への変革を迎えて久しいですが、いまだ社内ではウォーターフォールのプロジェクトが大勢を占め、ウォーターフォール前提での評価基準・管理基準しか整っていない、というのがいわゆる「大きなSIer」にありがちな姿ではないかと思います。

わたし自身も社内のアジャイル開発を行うプロジェクトに関わったことはありますが、アジャイル開発としてプロジェクト上の課題をいくつか残すこととなり、「うちではアジャイル開発は難しい」、「うちではスクラムは続けられない」という、よく聞く言葉が自分ごとになりました。同じような経験をされているかたは、大手SIerにはそれなりにいらっしゃるのではないでしょうか。

今回のテーマは、大手SIerでアジャイル開発を行うにあたっての、壁や制約を乗り越えて、アジャイル開発を実践し、ビジネスにした(続けた)、その歩みと実態についてです。

スクラムの取り組みと「全員同席」の真価、について話す森一樹さん

再演もありますので、中身については乞うご期待!(といいたいところですが、講演者のお二方とも、スライドをすでに公開されているので、気遣いは不要かもしれません。)

アジャイル開発ができたって、どういうことなのか

さて、講演を聞き終えた方も、これから聞く方も、今回は参加ができない方にもいまいちど、考えていただきたいことがあります。SIerにおけるアジャイル開発ができたという、ゴールとはどこでしょうか。

SF小説では、1970年代ごろに拡散と浸透という言葉が使われており、これは新しいジャンルができたとき、そのジャンルの小説がたくさん増え、ジャンルの概念(エッセンス)が他のジャンルでも普遍的に使われるようになったさまを表現しています。では、アジャイルの拡散と浸透はなんだ?と考えたときに、段階はいろいろありますが、下記ではないかと思いました。

  1. アジャイル開発をR&Dや業務で成功させる(開発手法としての成功)
  2. アジャイル開発をビジネスとして、成功させる(ビジネスとしての成功)
  3. アジャイル開発が社内で広まり、成功例が増える(拡散)
  4. アジャイル開発の概念がほかの開発手法に食い込んで、一部分・エッセンスだけ適用するなどの工夫が起きる (浸透)
  5. プロジェクトの特性に応じて、開発手法とテスト手法を自由に選択でき、評価ができる(最終系??)

多くのSIerが、2~4の間でうろうろしている、というのが現実なのではないでしょうか。また、アジャイル開発のゴールが、プラクティスとツールの導入に終始してしまうこともあり、ビジネスの成功がアジャイル開発の本質を見えなくしてしまうことは、ままあるのではないかと思います。しかしながら、ビジネスの成功が、アジャイル開発の成功であるならば、それはひとつのゴールの形かもしれません。

なにがゴールなのか、答えを探す過程のなかで、いまいちど、われわれは「アジャイルの価値と原則」に立ち戻って考えるべきなのかもしれません。

 

out of the boxシリーズ
ライター

畠山 由貴(はたけやま ゆき)

株式会社野村総合研究所 主任システムエンジニア

2008年より現職。ダイレクト販売を事業とする損害保険会社のシステム開発、保守に8年従事。アプリケーション開発から基盤構築、アーキテクチャ設計まで幅広い知識と経験を活かして各種リーダー、マネージャを担当。現在は、生命保険会社向けのシステム開発に従事し、標準化などの業務を担当。技術やプロセスと人間系の両軸に重きを置いたプロジェクト運営を心掛けながら、先進的なITソリューションを提供している。

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