Agile Japan 2015 Keynote2

イノベーションが必然となる時代にアジャイルは不可欠:Agile Japan 2015 レポート (25)

Agile Japan 2015

東京海上日動システムズ株式会社顧問の横塚氏による基調講演の内容をお伝えします。

デジタルテクノロジーで変わるビジネス

Agile Japan 2015 Keynote2

今は第4次産業革命 = デジタルビジネス革命の時代だと言われています。この波は、あらゆる企業の「本業」を危うくする可能性があります。つまり、ライフスタイルの変化 (スマホ)、ものの作り方が変化は、従来のビジネスの前提をがらりと変えてしまう可能性があるということです。

米MITスローン校のデジタルビジネスに関するリサーチを元に書かれた”Leading Digital”によると、次の7つの要素がこの変革を支えているとされます:

  • Social
  • Location
  • Mobile
  • Contactless Payment
  • Cloud
  • Sensor
  • Big Data

実際に、以下のような事例が各業界で起きています:

  • 便器につけたセンサーが尿を調べて明日風邪引くか教えてくれる
  • Google が自動運転する車を作っている → 保険への影響
  • 警官よりも防犯カメラのほうが犯人を見つける
  • Apple Pay → 決済プラットフォームを握ることの強み
  • Salesforce → Sales のデジタル化、デジタルマーケティング

このようにビジネス環境が変わる中、どの企業にとっても競争優位は続かない、つまり、常にイノベーションし続ける必要があります。デジタルテクノロジーを使って、顧客が気づいてすらいない価値を創造することが生き残るための鍵となります。

いかにイノベーションを起こすか

イノベーションを起こすためには、以下の4つの視点が必要といいます。

  • Customer centric (顧客中心); デザイン思考
  • Collaboration (協業); チームワーク
  • Visible (視覚化)
  • Iterative (イテレーティブ)

これらの視点・原則は、アジャイルの価値観そのものです。
上場企業は中期経営計画を立てる必要がありますが、3カ年を見通すことすら非常に困難な今の時代は、アジャイル型経営行動が中期経営計画よりも重要です。

ビジネス・イノベーション + アジャイル + ビジネスアナリシス
は、1セットで捉えるべきです。ビジネスのやり方自体をアジャイルにしなければいけない、マインドセットの変革、経営者への啓蒙もしていくので、エンジニアもビジネスの視点をもって、日本から変革を起こしていきましょう!と横塚氏は訴えました。

まとめ・感想

ちょうどこの頃『成功するイノベーションは何が違うのか?』(ファー&ダイアー, 2015, 翔泳社)という本を読んでいましたが、講演の内容は、この本の内容と非常にリンクするものでした。

不確実性の高い時代にあっては、統合的な思考と、素早く仮説を検証して成功確率を高めることが必要であるとされます。講演での主張と同じく、どの企業にとってもイノベーションを起こし続けなければ競争優位は持続しない時代がすでに到来していると言えましょう。「リーン・スタートアップ」として浸透しつつある考え方は、もはやスタートアップだけに必要なものではなく、あらゆる企業でイノベーションを起こし続ける方法論として必要とされている状況があり、横塚氏は危機感をもってそれを訴えているように感じました。

ただ一点、防犯カメラが警官よりも犯人検挙に貢献しているといったくだりで「プライバシーだとかつまらないことをいう人もいますが」と半ば冗談めかして言っていたあたりは、やや懸念を抱かざるをえませんでした。イノベーションはセキュリティやプライバシー面も十分に配慮することが真に顧客中心だろうと思います。

アジャイルは、方法論およびマインドセットとして、あらゆるビジネスシーンで当たり前のように要求される時代に来ています。エンジニアにとっても、単にソフトウェア開発の手法としてだけでなく、これからの時代を生き残るために必要なスキルセットとして、アジャイル方法論を身につけていくことが有用でもありましょう。


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