大正義マリナーズ?勝負は試合だけじゃない!:野球と知と食べあるき(12)

野球シーズン到来!

みなさん、こんにちは。
野球+食べあるきエンジニアのシンさんことshinyorkeです。

2014年に入ってから、ハッカソンに行ったり、引っ越ししたり、野球より大好き(?)なイギリスのバンド、blurのLIVEに行ったり、つい先日は5年ぶりにインフルエンザにかかって一週間ほど寝込んだり……、と野球以外にいろいろやっていました。気がつけば、日本プロ野球もメジャーリーグもキャンプ入り、オープン戦も始まってるっ!ということで、野球の世界そしてマナスリンクに戻ってまいりました。

今年も、野球のおもしろさと美味しいご飯、ときどきアジャイルやマネージメント話も交えつつ、野球と食の「知」を創出していきます。
今シーズンもよろしくお願いします!

 

■お品書き

■大正義マリナーズ?勝負は試合だけじゃない!

今回はメジャーリーグのお金の話です。

メジャーリーグが沸いた!大型補強

2013年シーズンオフ、数々のFA(フリーエージェント)やトレードによる移籍、選手のシャッフルが行われました。なかでも注目度が高いのは、日本最後のシーズンを24勝無敗という最高の成績で締めくくった田中 将大投手のメジャーリーグ入りです。

マー君、ヤンキースへ

田中投手はメジャーリーグ投手史上5番目(総額1億5,500万ドルの7年契約、年平均2,000万ドルを突破!)となる超大型契約でニューヨーク・ヤンキースに入団しました。日本プロ野球の現役最強投手で、WBCや五輪といった国際実績も豊かな25歳。
とは言え、メジャーリーグで1球も投げていない未知数の投手が、ここまでの大型契約を手にするとは驚きました。

ヤンキースでは、左腕エースのCC・サバシア黒田 博樹に続く先発3番手として投げるようです。ライト側が狭い左打者天国、言い換えると右投手にとって生き地獄なヤンキースタジアムでどんな投球を見せるのか楽しみでたまりません。私は活躍すると信じています。200イニング投げて16勝10敗防御率2.93ぐらいやってくれるんじゃないでしょうか?

まさかの主力選手を失う

ヤンキースには、他にも他球団の主力選手が何人か入団している一方、球団を去った選手もいます。

プロデビュー以来、長年ヤンキース打線を支え、走攻守三拍子揃った現役メジャー最高の二塁手、ロビンソン・カノ内野手です。彼は、ニューヨーカーや野球ファンの間で「デレク・ジーターの後継者」「新時代のヤンキースを支える主力」として期待されていました。そんな中、昨年FA権を得て、ヤンキース他、数球団と交渉しました。ヤンキースもファンも、残留が規定路線と思っていましたが、結果は思わぬ方向に転びました。

万年Bクラス、10年以上プレーオフ進出なし、カノ選手の故郷ドミニカから一番遠くに離れた西海岸最北の球団、シアトル・マリナーズと10年2億4,000万ドルという途方もない大型契約を結んだのです!

マネーゲームでヤンキースに勝つ

観客動員数は減り、閑古鳥の鳴く球場で細々と戦っているマリナーズが、オーナーは裕福、球団経営も順調なヤンキースの提示金額を超える額を提示。マリナーズは、おそらくメジャー初の「マネーゲームでヤンキースに勝った」チームとなったのです。

なぜ、ヤンキースよりも収入が少なそうなマリナーズが勝てたのでしょうか?
その理由はいくつかありますが、一番大きい理由は「TV放映権料」です。

メジャーリーグのフトコロ事情

まずはメジャーリーグ球団の収入源についてお話しましょう。
独立採算制を取るメジャーリーグ球団。収入源はおおよそ以下のとおりです。
Baseball12_メジャーリーグの収入源

自チームで稼ぐ収入の他に、コミッショナーであるMLB本体からの収入があるのが特徴です。

以前はチケットの売り上げ(+オーナーのポケットマネー)が主な収入源でしたが、アメリカ国内におけるTV放映権料(一般世帯から徴収)の増大、コンテンツとしての野球の注目度が高まり価値が上がった結果、放映権収入も無視できない存在になりました。

野球コンテンツ争奪戦、決め手はお金

メジャーリーグでは、全国放送(大手マスメディアと契約)はコミッショナーが直接契約し、地元放送(地元のケーブルTV局)はチームが契約する仕組みになっています。
収入源としては、断然地元TV局の方が大きく(全国放送は公平に分配)、MLB自体が人気コンテンツのため、複数のTV局による争奪戦が展開されています。ビジネスの世界、コンテンツの争奪戦。決め手はやはり「お金」です。

放映権バブル時代!

放映権は、通常10〜20年程度の長期契約を行うそうです。一度契約するとTV局は放映し放題、球団も毎年、契約金額を受け取ることができます。
かつてはこの「毎年受け取る金額」は数千万ドル程度でしたが、ここ最近は1億ドルを超える大型契約が相次いでいます。

こうして得たお金の大半の使い道は「選手補強」です。
地元TV局が高額な契約を結ぶ理由の一つに「目玉になる選手を連れて来い!」という意図も含まれているのです、たぶん。

そんな放映権バブル時代、メジャーリーグでは大型の放映権契約と大型の選手補強が相次いでいます。

数年前にはテキサス・レンジャーズロサンゼルス・エンゼルスが年平均1億5千万ドルの放映権契約を結びました。レンジャーズダルビッシュ有を、エンゼルスがメジャー最高の大砲、アルバート・プホルスを獲得したタイミングとほぼ同じです。

そんな2チームと同地区のマリナーズも、今年から年間1億ドルの放映権契約があります。カノ選手の獲得資金は、この放映権収入を見越してと考えて間違いありません。

ちなみに一番大きい放映権契約は、ロサンゼルス・ドジャースが結んだ年平均3億4千万ドルです。丸一年、ドジャー・スタジアムの観客数がゼロでも、選手の年俸を払ってなお余るぐらいの金額です。ドジャースはその資金力を武器に、ここ数年FAで多数の選手を獲得、生え抜きの若手左腕エース、クレイトン・カーショウ投手とは、7年2億1,500万ドルという破格の契約を結びました。

深刻な球団格差

メジャーリーグには30のチームがありますが、すべてのチームが放映権バブルの恩恵を受けているわけではありません。悲しいかな、放映権バブルとは無関係なチームも存在するのです。

Baseball12_放映権バブルと無縁のチーム
放映権バブルの前と後とで、球団に収入格差が生まれています。放映権収入のみに着目すると、その差は5〜10倍に開いています。
昨年、ナショナル・リーグ東地区で優勝したアトランタ・ブレーブスは、歴史の長い強いチームですが、バブル前の放映権契約が足かせとなり将来低迷するだろう、という悲しい予測が出ています。

放映権契約を結ぼうにも結べないチームもあります。
映画『マネーボール』の舞台となった名門球団オークランド・アスレチックスです。

カリフォルニア州オークランドは野球の人気が低く、本拠地オー・ドットコー・コロシアム(NFLオークランド・レイダースと共用)は閑古鳥が泣き続け、地元TV局との契約が結べない現状なんです。サンノゼシリコンバレーですね)への移転が決まれば状況は良くなると思いますが、いろいろと難航しています。

放映権成金のチームが有利とは限らない

「放映権成金のチームVS放映権と無縁のチーム」の構図は、放映権バブルが弾けるまでの間、続くと思います。高額の放映権収入のあるチームは他球団のエースや大砲を大金で獲得、一方、放映権収入のないチームは、若手の育成やトレードによる補強、経営努力で立ち向かうことになります。

ここ数年、レンジャーズアスレチックスに煮え湯を飲まされ続けたマリナーズが、今シーズン躍進する可能性は非常に高いでしょう。パワーアップした現有戦力に加え、シーズン途中にも補強が可能な収入源を得たのですから。

しかし、映画『メジャーリーグ』『マネーボール』などに描かれているように、強いチームやお金を持っているチームが勝ち続けるとは限りません。
大型契約をたくさん結んでいる(=高額年俸選手が多い)チームは、契約が残っている限り、その選手が怪我をしたり、不調に陥っても、簡単に解雇することはできません。カノ選手がある日突然、「普通の二塁手」や「怪我をして二塁手ができない、一塁手をやる」という状況になったとしても、マリナーズカノ選手を試合に出さないとなりません(本人の同意がないとスタメンを外せない、クビにできない、というような契約があります)。
フロントや監督にとっては、どうしても采配に「縛り」ができてしまうのです。

一方、大型契約が少ないローコストなチームには「縛り」はありません。不調の選手は、好きなときにマイナー落ちにしたり解雇できるし、伸び盛りの若い選手を補強することができます。現にブレーブスアスレチックスはそんな優位性をうまく活用し、地区優勝を果たしています。

メジャーリーグを「お金」「放映権」という視点で見ると、メジャーリーグの本質、試合からは分からない別のおもしろさが見えてくるんじゃないかな。新聞やTVで野球の報道を見るときに、このコラムを思い返してもらえるとうれしいです。

「大正義マリナーズに負けないぞ!アスレチックス優勝!」と心から叫びたいアスレチックスファンのシンさんでした。一野球ファンとしては、アスレチックスと同じ西地区で大天才カノ選手を多く見られるのを楽しみにしつつ、アスレチックスア・リーグ西地区三連覇、そしてワールドシリーズ制覇に期待しています!

参考文献

 

■今回の食べ歩き〜イチオシメニューBEST3!

セイイカの天ぷら – 沖縄酒場SABANI

Baseball12_セイイカの天ぷら

今まで何度か紹介している沖縄酒場SABANIの新メニューがこれ。
「セイイカ」は、本州では「ソデイカ」と呼ばれています。いつもはお刺身にするのを、試しに天ぷらにしたら美味だったのでメニューに加えたそうです。

開店当初からのSABANIファンで(店長さんがお友達なのです)、これまでもいろいろな料理をいただきましたが、セイイカの天ぷらはその中でも十指に入る美味しさでした。モチっとした柔らかい食感に、カレー塩とソースがよく合う逸品です。

沖縄酒場SABANI

 

香箱ガニの外子あんかけ 〜浜魚

Baseball12_香箱ガニの外子あんかけ

前回の連載で紹介した西荻窪の魚系居酒屋「浜魚」の一品です。
北海道出身の私にとって、香箱ガニは初体験。未知の食材でしたが、ほんのりとした身の甘みと、お出汁が効いた外子のあんかけは絶品!ホント日本に生まれてよかったなあとしみじみ。カロリーとか気になりますけどね。

浜魚

 

ホットワイン 〜イトキチ

Baseball12_ホットワイン

最後は飲み物。おそらくこの冬一番飲んだ飲み物です。
西荻窪の粋なスペインバル「イトキチ」の冬季限定ホットワインです。

日本酒や泡盛の熱燗が好きなのですが(泡盛も熱燗があるんですよ)、ホットワインはもっと好きです。この時期になると頼んじゃうんですよね。
関東を襲ったあの大雪の日、2回とも西荻窪まで行って飲んだぐらい。イトキチのホットワインにはお世話になっています。

ワインとつまみ イトキチ


これまでの食べ歩き

野球と知と食べ歩き(旧シリーズ名:食べ歩きSEの「野球っぽいお仕事の話」)コーナー

@shinyorke
書き手:中川 伸一

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