野球脳のススメ〜セイバーメトリクスを紐解こう!:食べ歩きSEの「野球っぽいお仕事の話」(10)

■お品書き

■本日のメインディッシュ

baseball10_ポール・デポデスタの言葉

オークランド・アスレチックスア・リーグ西地区優勝(2年連続16回目)がうれしくてたまらないシンさんです。

今回は、野球統計学「セイバーメトリクス」の基本的な考え方(とちょっとしたネタ)のお話です。このエントリーを読み終わる頃には、新しい野球の読み方・考え方が理解できているとうれしいです。

三振と他のアウトはどう違う?

打者のアウトは、大きく二つに分かれます。
baseball10_2つのアウト

二つのアウトの違いは簡単に言うと「打球がフィールドに飛ぶか飛ばないか」です。野球をご覧になる方にはお馴染みの光景ですが、この二種類のアウトには明らかに異なる特徴があります。

baseball10_投手のみでとるアウトの特徴

  • 投球だけでアウトがとれる
    • 野手(内野手・外野手・捕手)は一切関与しない
    • 捕手がボールをこぼしてもアウト成立(振り逃げの危険性はあるが)
  • 投球数が増える
    • 1人の打者に最低3球は投げる必要があるため

投手の奪三振能力に頼った方法です。
野手の守備能力が一切無視される代わりに、投手は投球数、スタミナといった部分で大きなリスクを背負います。「アウトの責任は全て投手にある」と言えます(正確には投手だけではなく、バッテリーに責任がかかりますが、それはさておき)。

baseball10_投手と野手でとるアウトの特徴

  • 野手のプレーでアウトが成立
    • 「ヒットだ!」と思った当たりがアウトになること(ファインプレー)もあれば、平凡な打球をミスすること(エラー)も
  • 投球数を抑えられる
    • 打者が最初の1、2球目に手を出すように仕向けるなど、工夫次第で省エネ投球が可能。

投手と野手のプレーの両方を重視します。
投手の投球数が減る傾向にあるので投手の負担が減る一方、野手との連携、特に守備力の上手い・下手がそのまま結果に結びつきます。「イチローだったら、あの打球とれたのに!」といったことが発生しがちです。

日米関係なくプロ野球の世界では、この二つのアウトのとり方をフロント(ドラフトやFAなどのチーム編成)も現場(スタメンの決定、試合中の采配)も意識しながら戦っています。

投手が負うべき責任とは

「アウトの責任は投手にある」という話が出たので「投手が負うべき責任」についてちょっとだけお話します。

セイバーメトリクスには「投手が責任を負うべきプレー」という考え方があります。
baseball10_投手が責任を負うべきプレー

球速を上げる、新しい変化球をマスターする、コントロールを磨くなど、投手は自らを鍛えることで、三振を多くとれるようになったり、つまらない四球や本塁打などの長打を浴びる隙を減らすことができます。

一方、不規則なバウンドの内野安打や打ちとれる打球を野手がトンネル(エラー)するといったことは、投手がいくら練習しても防ぐことはできません。セイバーメトリクスの考え方では、不規則なバウンドはグラウンドに責任があるし、トンネルはトンネルをした野手に責任があります。

球団フロントやファンの人達は、上記の考えに基づいた指標「DIPS (Defense Independent Pitching Statistics:投手自身がコントロールできる要素でのみ投手を評価する手法)」で評価します。書籍版『マネー・ボール』にも解説があるので、興味を持った方はぜひとも読んでみてください。

打者を評価する「アダム・ダンらしさ」

DIPS」は投手を「三振、四球、被本塁打(&長打)」で評価します。

一方、打者を「三振、四球、本塁打」で評価する「打者版DIPS」も存在します。巨大掲示板「2ちゃんねる」野球板発祥のセイバーメトリクス指標「アダム・ダン率」と呼ばれるネタ指標です。

アダム・ダンというのは、シカゴ・ホワイトソックスに所属する大砲です。本塁打を量産するパワーとボールを見極める選球眼を備えているのですが、ボールをじっくり見る癖とイマイチなバット・コントロールが災いしてか、非常に三振が多い選手です。昨年(2012年)は41本塁打、105四球を記録した一方、リーグ最多の222三振を記録しています。打率は.204と酷い成績ですが、四球を多く選ぶことでカバーしているのか出塁率は.333と良好な記録を残しています。

本塁打、四球、三振が多いということは「投手との勝負に徹しているバッター」と言えるでしょう。そんな「俺は投手との勝負を楽しんでいるんだ!」というアダム・ダンらしさがどれだけ高いかを表す指標が「アダム・ダン率」です。
baseball10_アダムダン率

2012年のアダム・ダンアダム・ダン率は56.7%(649打席)です。アダム・ダンが出場している試合の相手チームの野手は、56.7%の確率で「何もしていない」とも言えます(ボールが飛ばないのでやることがない)。
ある打者のプレーに対して相手チームの野手が関与するかしないかが分かる、というのは面白いですね。

ちなみに、日本の代表的なプレーヤーに当てはめると、
baseball10_日本人選手のアダム・ダン率

バレンティンのようなホームランバッターは、やはり高い数値になります(四球・三振の機会が増えるため)。逆に、阿部選手やイチロー選手のように三振・四球の機会が少なくなりやすい中距離打者は、控えめな数値になります。インプレー打球が多いイチローはまったくもってアダム・ダンらしくないという事ですね。

野球脳のススメ

このように普段見ている野球も、数字と数字の意味を考えることで、今まで知らなかった見方や新しい発見があります。

これは、普段の生活、特にお仕事においても言えることだと思います。
例えば、今日は豪快にミスってしまったけれど、これって三振なのかな?それともゴロなのかな?というメタファー、つまり「野球脳」で「なぜ」を考えると答が見つかることもあります。他の舞台に置き換えることで、それまで見えなかったものに気づくことができるんです。

一見すると小難しいセイバーメトリクスも、少しずつ紐解くと面白いですよ。興味ある方は、ぜひとも触れてみてください!

 

■今回の食べ歩き

しゃけ小島

開店から早五年、京王線 代田橋駅近く「沖縄タウン」にあるしゃけ料理の名店です。東北はじめ日本各地の美味しい地酒と共に、和食中心のおつまみやおかずを楽しめます。

しかし!なんといっても味わっていただきたいのは「焼きしゃけ定食」です。
baseball10_焼きしゃけ定食
イチオシ!上しゃけ定食

沖縄のお塩と炭火でじっくり焼き上げた北海道産のしゃけ、優しく炊きあげた新潟産コシヒカリのご飯にお出汁が効いた味噌汁、日替わりの小鉢(お浸し、おからなど、なにもかもが優しく美味しい!)の完璧なバランスの「定食の王様」です。
写真は上しゃけ定食ですが、他にも普通のしゃけ定食、焼きしゃけいくら丼、しゃけの焼き漬け定食など目移りするラインナップです。

baseball10_納豆の天ぷら
納豆好きなら欠かせない、納豆の天ぷら

ご飯も大好きな私ですが、酒のアテには納豆の天ぷらをよく頼みます。納豆好きの人にはオススメ!大葉の香り&天つゆの組み合わせが垂涎もの!

baseball10_しゃけのカマ焼き
ご飯にもお酒にもピッタリ!しゃけのカマ焼き

しゃけを単品で頼むこともできます。カマ焼きはご飯のおかずだけでなく、お酒との相性も抜群ですね!

北海道出身で飽きるほどしゃけを食べてきた私ですが、ここのしゃけは本当に美味しくて好きです。北海道のしゃけが恋しい方、定食やご飯がお好きな方はぜひとも足をお運びください!


これまでの食べ歩き

食べ歩きSEの「野球っぽいお仕事の話」コーナー

@shinyorke
書き手:中川 伸一

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野球脳のススメ〜セイバーメトリクスを紐解こう!:食べ歩きSEの「野球っぽいお仕事の話」(10)」への4件のフィードバック

  1. 評判良かったら、次からセイバーメトリクス入門な連載にします。もう一度、打率と出塁率の違いから説明するのも(・∀・)イイネ!! 野球脳のススメ〜セイバーメトリクスを紐解こう!:食べ歩きSEの「野球っぽいお仕事の話」(10) http://t.co/kb2cUIipTx

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