人が、企業が、業界が、進化する「要求開発」セミナー開催

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2010年11月2日東京銀座で、株式会社ニッポンダイナミックシステムズの主催による「人が、企業が、業界が、進化する『要求開発』セミナー」が開催されました。本セミナーの主催は要求開発を軸にした企業改革を進める株式会社ニッポンダイナミックシステムズで、要求開発を理論と実践の両面からサポートする株式会社匠Business Placeの協力のもと開催されました。

要求開発の目的はシステム開発を通じて顧客のビジネス価値を創出することです。要求開発では「要求はそこにあるものではなく、開発するものである」と捉え、エンジニアがユーザー側に積極的に働きかけて業務の分析を行い、より望ましいシステム要求を作り出していきます。エンジニアには、ITだけではなく、経営戦略や現場業務の視点も求められます。

本セミナーは2009年9月30日、2010年2月22日に行われた要求開発セミナーの第三弾となります。セッションのほとんどをニッポンダイナミックシステムズのビジネスアーキテクトが担当しており、要求開発が着実に会社の文化として根付き、進化した姿を見ることができました。

「要求開発、宣言から実践へ」

株式会社ニッポンダイナミックシステムズ 技術推進担当兼シニアマネージャ 荒井 康氏

セミナーは荒井氏による要求開発の位置づけの紹介から始まりました。株式会社ニッポンダイナミックシステムズ(NDS)は公共開発から民間分野、パッケージ・ASPまで幅広く開発を行うIT企業で、創立40周年に当たる2009年に要求開発の導入を始めました。

荒井氏は「なぜ」「今」「NDSで」要求開発なのかを説明しました。

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荒井氏のセッションの様子。要求開発を導入した理由とは

なぜ要求開発なのか

プロジェクトのトラブルを防ぐためには、上流工程が重要であるという認識が広まっています。プロジェクト戦略を見える化し、価値とリスクを早い段階で検証することができるのが要求開発の大きなメリットです。オブジェクト指向やモデリング、設計などに長けたシステム開発者がビジネス領域をカバーすることで、よりビジネス的な効果の高い開発が可能になります。これまではすでにあるものとして扱われていた「要求」を「開発するもの」ととらえる意識転換を要求開発はもたらしてくれます。

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要求は開発するものである!

なぜ「今」要求開発なのか

システム開発者の中でも上流開発への関心が高まっているほか、景気低迷により予算や案件がこれまでになく縮小しています。また海外IT企業との競争も激しくなっています。クラウドやスマートフォンのような新技術も台頭してきています。生き残りをかけた差別化が必要な時期に直面していると言えます。

なぜ「NDSで」要求開発なのか

一番大きかったのが、要求開発を提唱する株式会社匠Business Placeの萩本氏との出会いだそうです。萩本氏とともに要求開発を導入し、お客様視点の醸成、ビジネス提案力の強化、IT企業としての差別化を目指す決断をするに至りました。多様なシステム開発を手がけてきた実績と超上流をつなげる要求開発は、まさにNDSの目指す方向にマッチしていたのです。

「NDS要求開発宣言」

要求開発を取り入れるに当たって、NDSは「NDS要求開発宣言」を作成し公開しました。


1.ビジネス戦略に直結したITシステムを提案する

お客様の価値を最大化するために、ビジネス戦略に直結したITシステムをデザインできるIT企業を目指します。

2.お客様と共に真の要求を開発する

我々は、「要求は存在するものではなく、開発するものである」という志を大切にし、お客様の真の要求を、お客様と共に開発していきます。

3.新たなITビジネスを開拓する

我々は、「要求開発」を武器にすることで、お客様と共に要求を開発できる新たなビジネスモデルを開拓します。

4.開発者として説明責任を果たす

開発者としての説明責任を果たすために、システムの見える化だけではなく、ビジネスの見える化に挑戦します。

5IT技術者の価値を高める

納得感のあるエンジニアリングを追求し、ITの面白さ、楽しさを社内外に伝えるITの匠を目指します。


この宣言はhttp://www.nds-tyo.co.jp/takumi/declaration/index.htmlで公開されています。経営側の決意を示すことから要求開発は始まっているのです。

要求開発の3ヵ年計画

NDSは3ヵ年計画で要求開発に取り組んでいます。


  • 1年目(2009年):準備と手探り
  • 2年目(2010年):ビジネス実践
  • 3年目(2011年):成果の実感

今年はビジネス実践を行う年です。匠Business Placeとの協業、匠Netの活用によりコンサルタントビジネスにチャレンジすること、オリジナルのサービスメニューを提案し受注すること、お客様とWin-Winの関係を実感することが、今年のゴールイメージとして掲げられています。

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2年目のゴールイメージ。実際に成果はあったのか。続くセッションで、要求開発の効果が紹介されました

NDSの要求開発活動

株式会社ニッポンダイナミックシステムズ ビジネスアーキテクト 三輪 陽子氏

荒井氏のセッションに続いてビジネスアーキテクトの三輪氏による要求開発活動の紹介が行われました。要求開発が生まれた背景には、開発された機能のうち実際に利用されているのは36%に過ぎないという事実があります。システムの全体像を早い段階で描くことで、よりユーザーの要求に合致した機能を開発することができるというのが要求開発の基本的な考え方です。

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NDSの要求開発活動を紹介する三輪氏。システムの全体像が早い段階で描けるのが要求開発のメリット

要求開発とは

ユーザーから求められた機能をそのまま開発するだけでは真の要求を満たすことはできません。システム開発者と利害関係者が手を組んで、早期に業務の最適な姿を分析するところから要求開発は始まります。

コタツモデル

要求開発では、異なる視点(戦略的視点・業務問題解決の視点・IT活用の視点)をもった主要な関係者たちが、コタツに入ってひざをつき合わすように顔をつき合わせて、お互いの意見を共有し合い、真の要求を開発するべきであると考えます。

これによりアイディアが増殖したり、見えにくかった問題点が見えるようになり、結果としてビジネス効果の高い、使えるシステムが生み出されるようになります。

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利害関係者の合意を創り出すコタツモデル

目的と手段の連鎖

要求開発では「ビジネス戦略→ビジネスオペレーション→システム要求→システム設計」の4象限を、How(手段)とWhat(目的)の連鎖でつなげて考えます。

大部分の会社は企業利益や社会貢献活動を目的にしていますが、それを実現するためには様々な業務や活動があります。また、この業務を効率よく行う手段としてシステムがあります。すなわち、システム要求は単独で成り立っているものではなく、その先にはビジネス戦略があることがこの4象限図から見てとれます。

要求開発はこの目的と手段のつながりに注目し、戦略に直結した真に役立つシステム構築を行うべきであると考えます。

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要求開発では、すべてをWhatとHowでつなげて考える

NSDの要求開発活動

NDSでは要求開発活動にビジネス展開、企業ブランディング、教育(技術力強化)の3つの側面から取り組んでいます。ビジネス展開としては、上流工程への挑戦やビジネス提案を、企業ブランディングではNDS要求開発宣言やオープンセミナーの開催を、教育(技術力の強化)では萩本氏などのフェローによる要求開発基礎教育や選抜メンバーによる要求開発実践活動などが行われています。

要求開発に取り組んでみて

三輪氏は要求開発に取り組んでみて、見える化のスキルや価値を描くテクニックが身についたと言います。決して楽な道ではなく、時には笑い、時には悩み、励まし合いつつ一歩ずつ歩みを進めているそうです。自分を磨く理由は、「自分を磨く→自分の誇りへ→お客様の喜びへ」というサイクルにあるとのことです。「所詮夢だよね」という声もあったそうですが、「そうやねん!これがNDSの夢やねん。夢実現するためにうちら、走ってるんや」と力強くセッションを締めくくった三輪氏でした。

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NDSには夢がある!

レポート(2)に続く

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