■お品書き
- 影響を受けた本で打線を組んでみました!今が旬のメジャーリーガーも紹介
- 音楽+カルチャー+山形料理で高円寺を楽しむの巻
■たまには本の話をしましょう
三ヶ月ぶりの登場、野球好き・食べ歩き好き・ガジェットはその次くらいに好きでおなじみ、シンさんです。
昨年末、『【年末年始特別企画】今宵のディナー・オールスター2012』と題してオススメのご飯と飲み物を紹介したところ、取り上げたお店の店長やスタッフから好評価をいただきました。協力してくれたお店の人たち、ありがとう!
そんな「打線を組んでみました」企画第二弾として今回は、私の仕事や考え方、そしてこの連載の源泉となっている本(一部、例外アリ)を打線形式で紹介!併せて「今だからこそ観てほしい、素晴らしいメジャーリーガー達!」も紹介します。
本を知っている人は本の内容から選手を、選手を知っている人は選手の個性から本を、それぞれ想像しながらお楽しみください。野球好きな人たち、IT属性の人たち、そして大自然と音楽が好きな人たちも見てくださいね!
■打線で本を語ろう!
1.(中)マネー・ボール(The Art of Winning An Unfair Game)
一番、センター、マイケル・ルイス 著『マネー・ボール』
ブラッド・ピット主演の映画でおなじみですね。この本のサブタイトル「The Art of Winning An Unfair Game」(不公平に打ち勝つ技術)という言葉は大好きです。
選手として大成できなかったビリー・ビーンが、お金のないメジャーリーグ球団オークランド・アスレチックスのGMになり、統計学と知恵、そして指導力を駆使して常勝軍団に育て上げるまでを描いています。
この本との出会いの物語は長くなるので省略しますが(いずれ書きますね)、数字を元にした野球の楽しみ方と「不公平なゲームに打ち勝つ」ためには知恵と指導力が必要という考え方を教えてくれた本です。
ちなみに、この本をキッカケにアスレチックスのファンになった私は、アスレチックス以上にビリー・ビーンの大ファンです。いつか会いたいなあ。
ぴったりの野球選手は?
『マネー・ボール』好みの出塁能力、アグレッシブな走塁と守備、ツバメのようにさっそうと現れた日本代表リードオフマン、青木 宣親選手(ミルウォーキー・ブルワーズ)
2.(二)SEの持つべき「思想」
二番、セカンド、秋月 昭彦・瓜生 聖 著『SEの持つべき「思想」』
9年前、今の会社に入社したときに「絶対に読んでおけ!」と薦められた本です。
当時はまだ業界4年目の24歳。仕事は丁寧に、品質よく、そして真摯に行う、という発想が薄かった私に、初めてSEとしての姿勢、仕事とは何か?を考えさせてくれた名著です。
今となっては内容の古さは否めませんが(というか絶版っぽい……)、自分の軸がずれそうなときや自信が持てないときに目を通している「私の原点」です。
ぴったりの野球選手は?
小さな身体を目いっぱい使って攻守ではつらつプレー、伝統球団の野手リーダーを務めるボストンの司令塔、ダスティン・ペドロイア選手(ボストン・レッドソックス)
3.(右)リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
三番、ライト、エリック・リース 著『リーン・スタートアップ』
私とマナスリンクをつなぐきっかけになったリーン・スタートアップの代表的な本です。「迷ったら顧客に聞け」「仮説検証を繰り返し、学んでビジネスを成熟させる」など、この本で学んだ思想は、私の宝物です。企業内リーンスタートアップ勉強会などのセミナーやイベント活動を通じて友達がたくさんでき、お互いの考え方や仕事観をぶつけあうことができました。この本に出会った昨年は本当に素晴らしい一年でした。
ITに限らず、どんなビジネスにも活用できる「万能選手」な考え方・フレームワークなので、気になる方は是非ともチェックしてください!
ぴったりの野球選手は?
世界一の万能選手。堅実な打撃、パワー、スピードを備え、セカンド、ライト、ショートなど投手と捕手以外ならどこでもできちゃうフロリダのスーパースター、ベン・ゾブリスト選手(タンパベイ・レイズ)
4.(捕)野村ノート
『マネー・ボール』のビリー・ビーンと共に、私が尊敬している野球人であり、ビジネスの師匠です。現役時代、選手引退後の生活、監督時代を振り返り、野球、そして人生観を説いた野球本の名著です。
『野村ノート』を読んで以来、私は事あるたびにノムさんの新作を購入し愛読している「ノムラ・チルドレン」です。ノムさんの考え方は、本当に真摯で思いやりがあるんですよ。ID野球や選手の茶髪ヒゲ禁止のイメージで厳しく見えますが、これは厳しさではなく、規律・思想を重視した上で「プロとしての仕事をこなせ」と教えているのです。
ノムさんの著書では『そなえ ~35歳までに学んでおくべきこと~』もオススメです。
ぴったりの野球選手は?
日本代表のWBC三連覇の夢を打ち砕いた現役最強捕手、ヤディアー・モリーナ選手(セントルイス・カージナルス)
5.(左)Pythonプロフェッショナルプログラミング
五番、レフト、ビープラウド 著『Pythonプロフェッショナルプログラミング』
この辺りから徐々にマニアックになります(笑)
お仕事でもプライベートでもPythonというプログラミング言語を頻繁に使っている私。言語を覚え、開発作法を覚えるため、いろいろな本を読みましたが、この本が最も実践的であり、開発者の気持ちを読み解いているなあ、と感心しました。ちょっとした縁で著者を知っているというのもありますが、それを抜きにしてもいい本です。
継続的インテグレーション、テスト駆動開発など、アジャイル開発プロセスやリーン・スタートアップの基礎にも優しく触れているので、Pythonを使っていない人でも読めるんじゃないかな?(たぶん)
ぴったりの野球選手は?
Pythonのようにスピーディーかつ、パワフルなプレーを魅せるスター。キューバからやってきたオークランドの舶来砲ヨエニス・セスペデス選手(オークランド・アスレチックス)
6.(一)Android/iPhone/Windows Phone対応 jQuery Mobileスマートフォンアプリ開発
六番、ファースト、岡本 隆史、梶原 直人、田中 智文 著『Android/iPhone/Windows Phone対応 jQuery Mobileスマートフォンアプリ開発』
HTML5+CSS3+JavaScriptでスマフォサイトおよびアプリが作れるソフトウェアの解説本です。
最近、ずっとJQueryでコードを書いているのですが、この本がすごく役に立ちました。基礎的な使い方から応用例まで分かりやすいこと、そしてなにより助かったのが、ライブラリ(JQuery以外も含め)について、ライセンスとその解説がちゃんと書かれていることです。ライセンスは調べるとなると面倒くさいんですよ。それをあらかじめ書いている「利用者目線」は素晴らしいです。
ぴったりの野球選手は?
パワーと柔軟性の両方を兼ねそろえた新時代の大砲。シカゴの希望、アンソニー・リゾ選手(シカゴ・カブス)
7.(指)Running Lean ―実践リーンスタートアップ
七番、指名打者、アッシュ・マウリャ 著『Running Lean ―実践リーンスタートアップ』
三番のリンスタ青本(『リーン・スタートアップ』)に続いて出会ったリンスタ本です。
こちらは、主に開発者に向けてリーン・スタートアップの実践方法を説いた、「思想」より「手段」に特化したリンスタ本です。この本の英語版を仕事仲間に紹介してもらい、見よう見まねでリーンキャンバス(リーン・スタートアップに用いられる図表)を書いて仲間たちと議論しながら成熟させていった思い出があります。
「リーン・スタートアップを覚えたい!」という人は、この本をまねして是非とも、リーンキャンバスを書いてみてください。その後に本を読むといいかも!
ぴったりの野球選手は?
ストライクゾーンの見極めは天下一品。バッターボックスで、ホームベースでストライクゾーンを操るクリーブランドの至宝、カルロス・サンタナ選手(クリーブランド・インディアンス)
8.(三)世界遺産・知床がわかる本
八番、サード、中川 元 著『世界遺産・知床がわかる本』
私の生まれ故郷、世界自然遺産である北海道の知床を分かりやすく解説した本です。流氷を代表とする大自然のメカニズム、多彩な動植物、世界自然遺産になるまでの歴史など、長年、知床で調査・研究・自然保護に携わった著者(私の父です!)だからこそ書ける、ためになる・面白い知識満載の一冊です。
知床に立ち寄る際は、是非とも飛行機の中で読んでいただきたい。
ぴったりの野球選手は?
極寒の地・シアトルのホットコーナーを守る強打者。ツーアウト、得点圏での打撃に注目、カイル・シーガー選手(シアトル・マリナーズ)
9.(遊)トム・ヨーク すべてを見通す目
九番、ショート、トレヴァー ベイカー 著『トム・ヨーク すべてを見通す目』
最後をしめくくるのは趣味の英国ロックで。
イギリスを代表するオルタナティブ・ロック・バンド RADIOHEAD(レディオヘッド)のボーカル、トム・ヨーク。私はハンドルネーム(shinyorke)に拝借するぐらい、トム・ヨークとRADIOHEADが好きなんです。
皮肉と本音を織り交ぜた歌詞、多彩な音、テーマのブレないアートワーク、躍動感あふれるライブ。全てがステキです。トムさんはニュースやネット、本をたくさん読む人で、インタビューや作品を通して情報リテラシーの高さを感じます。ミュージシャンとエンジニアとでジャンルは違いますが、目標の人であり、憧れの人です。
ちなみに、この本は彼の半生記です。ロックな若手時代のEpisodeがおもしろい!オススメです。
ぴったりの野球選手は?
打撃は投手以下でも守備は超人的かつ芸術的。フランクリン・グティエレス、イチロー(ニューヨーク・ヤンキース)と組んでいた「宇宙間」はもはや伝説、シアトルの守護神ブレンダン・ライアン選手(シアトル・マリナーズ)
次回は秋ごろに打線を組んでみますね!
■今回の食べ歩き
音飯(おとめし)
- 東京都杉並区高円寺南3-57-7 高島店舗2F
- 最寄り駅:JR中央線 高円寺
- 営業時間・定休日:お店にお問合せを
- TEL:03-6304-9392
サブカルチャーと季節の魚介、美味しい日本酒と山形料理に力を入れているステキな山形料理屋さんです。
80〜90年代のロックやポップスが流れる店内。RADIOHEADはじめ、英国ロックが好きな私がイチコロになります(某洋楽雑誌の編集長も来店するらしい!)
趣のあるオブジェや什器がいいですね。箸置きもかわいい。
私が来るときはほとんど一人なので、カウンターが多いです。目の前の本棚が好きだったりします。
肝心のお料理!この日のお通しは姫きゅうりの浅漬です。いい漬かり具合。
お魚はお刺身、焼き魚、煮魚とバリエーションが豊富。お酒のお供もいいですが、時間・タイミング限定(告知はTwitter!)の定食がオススメ!
乙なところではポテサラも美味しいです。ソースで食べるそうですよ(北国っぽい文化だなあ)。
山形のお酒「くどき上手」を中心としたお酒も名物です。飲み比べセット(三種類+おつまみ付き)がリーズナブルでいい感じに酔えます。
私が好きな炭水化物、締めのご飯は魚介と山形名物「だし」を和えた「音飯丼」です。一緒についてくる芋煮汁(これも山形名物)がたまりません!
近くにはヴィレッジヴァンガード高円寺店、古着屋、ロックTシャツ屋(これも私の行きつけ)があるので、ちょっと早めに行って高円寺散策、帰りに山形料理なんてコースはいかがでしょう?
店長には「たまには女の子を連れてきてね!」と言われているので、早めに何とかしようと思います(苦笑)
これまでの食べ歩き
- (1)最初のあいさつ
- (2)野球から学ぶ「良いチームの作り方」
- (3)言葉の投球術
- (4)【年末年始特別企画】今宵のディナー・オールスター2012
- (5)ノムラの教え〜人生を変えるスタートアップ
- (6)ヤンキース流「文武両道の教え」
- (7)ノムラ流アジャイル野球〜プロセスと振り返り
書き手:中川 伸一
- プロフィール:公認レポーター 中川 伸一 – 第8回企業内Lean Startup勉強会 レポーター自己紹介
- Blog:ShinYorke([try,retry]).run()
- Twitter:@shinyorke
- Facebook:http://facebook.com/shinyorke
4 Comments
shinyorke.(又はシンさん) (@shinyorke) · 2013年7月18日 at 20:45
打線だけ抜粋。CF青木(MIL) 2Bペドロイア(BOS) RFゾブリスト(TB) C Yモリーナ(STL) LFセスペデス(OAK) 1Bリゾー(CHC) DHサンタナ(CLE) 3Bシーガー(SEA) SSライアン(SEA) http://t.co/Sj7FjFNdhZ
@_tigers_no1 · 2013年7月18日 at 22:56
RT @shinyorke: 打線だけ抜粋。CF青木(MIL) 2Bペドロイア(BOS) RFゾブリスト(TB) C Yモリーナ(STL) LFセスペデス(OAK) 1Bリゾー(CHC) DHサンタナ(CLE) 3Bシーガー(SEA) SSライアン(SEA) http://t.…
shinyorke.(又はシンさん) (@shinyorke) · 2013年7月19日 at 10:05
RT @em_staff: 食べ歩き連載(8) 公開しました。今回はオススメ書籍を打線形式で紹介、お食事処は山形料理の音飯さんです。 ―打線で読み解く!イチオシ書籍:食べ歩きSEの「野球っぽいお仕事の話」(8) http://t.co/yt2AcV2VCS
shinyorke.(又はシンさん) (@shinyorke) · 2013年7月19日 at 10:14
今回は音飯 .@aitaichenko さんにご協力頂きましたありがとうございました!”打線で読み解く!イチオシ書籍:食べ歩きSEの「野球っぽいお仕事の話」(8) http://t.co/Sj7FjFNdhZ“
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